敬語の使い方

「お伺いしたい」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

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パンダ

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「お伺いしたい」は正しい敬語?

お伺いしたいは、とてもむずかしい表現です。ビジネスシーンで活躍している人でも正しく使えていない人は多く、意思疎通がうまくいかないケースなども見られます。一方で、正しく使えていな人が多いために間違った使い方をしていても気づかない、何の問題も生じないといった傾向も見られます。使っている側も使われている側も正しい表現をよく理解していないために問題に気づかない、そんな状況はできるだけ避けたいものです。職場全体で誤った使い方が共有されていることで、取引先や顧客相手に使った時に「この会社の社員は言葉遣いがなっていない」「この会社の教養レベルはどうなっているのか」といったマイナス評価が下されてしまうことにもなりかねません。

「お伺いしたい」という表現については2つの大きなポイントがあります。まず基本中の基本、「お伺いしたい」はそもそも正しい敬語なのか?この段階で多くの人が間違った使い方をしてしまっているのです。

そもそも「伺う」とはどんな意味なのか?じつはこの表現は謙遜語、へりくだったニュアンスが込められている言葉です。つまり「伺います」だけで十分敬意を示す表現としてなりたっているわけです。

ですからそこに「お」をつけて「お伺いしたい」と使うと二重敬語になってしまうのです。ですから「お伺いしたい」は敬意を示す表現としてふさわしくないとの意見もあります。

現代社会、とくにビジネスシーンにおいては過剰な敬意表現が大きな問題になっています。あまりにも丁寧な表現を意識しすぎた結果、尊敬語、丁寧語、謙遜語が入り乱れたような使い方になってしまい、不自然な印象、さらには丁寧すぎてかえって失礼な印象になってしまうこともあるのです。歴史的にみてもここ20年ほどの間に急激に「過剰な敬意表現」が進んでいると言えるでしょう。

ですから過剰な表現は避けるべきなのですが、「お伺いしたい」についてはそれほど気にする必要はない面もあります。じつはこの点に関しては以前から相応しい表現なのかどうか議論があり、平成19年に行われた文部科学省文化審議会の「敬語の指針」という答申において「敬意を示す表現として使っても問題ない」との認識が発表されています。

ですから「お伺いしたい」は本来は二重の敬意表現であることを意識したうえで、日ごろ使う分には問題ありません。ただ後述するように、この表現にさらに丁寧な表現を加えることで不適切な表現になってしまう恐れがあるので気をつけましょう。

とくに注意したいのが「伺わせていただきます」です。日頃からよく使っている人も多いのではないでしょうか?「伺う」と「いただきます」の両方を使うことで過剰な敬意表現になってしまっています。もちろん「お伺いさせていただきます」もNGです。現代人の感覚だと「伺います」だけではシンプル過ぎて敬意を表現できていないのではないかと不安になってしまう面もあるわけですが、ここはシンプルな表現を心がけましょう。

この表現についてもうひとつ注意したいのが「伺う」の使い道です。大きく分けて2つのニュアンスがあり、どちらで使うかによって使い方にも違いが出てきます。

まずひとつ目は使用する機会が多い「訪問する」の意味。取引先などに対して「来週の水曜日にお伺いします」などの表現がよく使われます。

この場合はこちらが訪問する形で相手に時間を割いてもらうことになりますからこの点を考慮した表現が求められます。例えば

「来週の水曜日の午後に伺いたいのですが、ご予定はいかがでしょうか」
「一度伺って直接お会いして話をしたいのですが、いかがでしょうか?」

などです。「伺いたいと思います」「伺いたいのですがいかがでしょうか」といった表現をうまく使いましょう。注意したいのは「お伺いしたいと存じます」など、ここでも過剰な敬意の表現になってしまいがちな点です。「伺う」だけで敬意を込めていることを頭に入れたうえでの使用を心がけましょう。

もうひとつは尋ねる時、とくに問い合わせをする時に使います。「今回のプロジェクトにつきまして、詳しい話を伺いたいのですが」などのシチュエーションで使われます。訪問すると両方のニュアンスを込めて使うことが多いのも特徴でしょう。

「ぜひ先生の講演に伺いたいです」

の場合はその講演に行くニュアンスと、話を聞くニュアンスの両方がこめられていることになります。

この「聞く」の敬意表現では「拝聴する」「ご教授願う」といった表現もよく使われます。「先生のご意見をぜひ拝聴したいと思います」、「今回のプロジェクトについてご教授のほど、なにとぞよろしくお願いいたします」など。

ただ、これらの表現はかなりフォーマルで硬い印象が伴うため、「伺う」を使ったほうが適しているケースも少なくありません。この点は場の状況や相手との関係をよく踏まえた上で使い分けるようにしましょう。

さらに同じ聞くでも「質問する」の意図で使うこともできます。「つかぬことを伺いますが」は相手の地位を問わずによく使われる表現です。

「みなさんのご意見を伺いたいのですが」
「この度のプロジェクトの手応えについて伺えますか?」

など。相手の意見や考えを引き出すために使う表現になるのが基本です。相手に無理やり聞き出すような印象ではなく、あくまで自発的に話してもらえるようなニュアンスを込めた表現が求められます。

例文

このようにどんな意図で使うかによって使い方も変わってくるため表現方法もさまざまです。加えて相手との関係や地位によっても適切な使い方に配慮する必要が出てきますから、具体的にどんな使い方があるのかをチェックしたうえで、自分なりに使いこなせるようにしたいものです。

例文(上司あて)

上司あてに使う際にもっとも注意したいのが、繰り返しになりますが二重の敬意表現にならないようにすることです、「お伺いしたい」はセーフですが、「お伺いさせていただきます」は避けましょう。

「今度のプロジェクトに関して細かい点を伺いたいです」
「来週取引先のもとへ商談に伺う予定です」

などが一般的な使い方となるでしょう。

もし「伺う」だけではシンプルすぎて不安という方は「伺いたく存じます」を使ってみるのもよいでしょう。「存じます」は「思います」という意味の謙譲語です。ですから、

「この度の件につきましてご相談したいことがございますので明日伺いたく存じます」
「先日いただいた資料に関してより詳しい点を伺いたく存じます」
「来週の水曜日にご挨拶に伺いたく存じますが、いかがでしょうか?」

といった使い方ができます。

直接の上司ではなく、取引先や異なる部署の地位が上の人相手に使う場合も基本的には同じです。「伺います」でも問題ありませんが、状況に応じて「伺いたく存じます」も使ってみましょう。はじめて会う人や地位が自分よりもずっと高い人に対しては「伺いたく存じます」、すでに顔見知りの関係にある上司、取引先相手に関しては「伺います」「お伺いしたい」を使うとよいでしょう。

「わたくしとこの件の担当者○○の二人で伺いたいのですが予定はいかがでしょうか?」
「お忙しいところを恐縮ですが、来週の水曜日の午後○○時に伺いたく存じます。なにとぞよろしくお願いいたします」

例文(部下あて)

部下あてに使う場合には、敬意を示すと言うよりも丁寧な表現として使うとよいでしょう。本人に対して直接使うのではなく、第三者を念頭に入れて使う機会が多くなるのも部下あての表現の特徴です。

「今回の件について先方の意思を伺っておいたかい?」
「相手の都合がつくかどうかきちんと予定を伺っておけよ」

など。この場合、敬意は部下にではなく、第三者に対して向けることになります。この使い方はそれほど難しく考える必要はなく、普通に「先方の意思を聞いておいたかい?」「きちんと予定を確認しておけよ」でも大丈夫ですが、例えば自分たちだけでなく他の人たちの目と耳がある状況で会話をする場合には「伺う」を使った方が無難です。例えばA社のスタッフと会話をしているときに、部下に対して「B社の都合もちゃんと確認しておけよ」と指示するよりも、「B社の都合もきちんと伺っておけよ」と指示した方がよい印象を与えることができます。前者の場合、耳にしたA社の人に「自分たちもいないときにはこんな表現がされているんだろうな」と判断されてしまう恐れがあるので気をつけましょう。

部下あてではもうひとつ、相手の意見や考えを引き出す時によく使われます。

「この件について君の意見を伺いたい」
「そういえばまだ君の考えについて伺ったことがなかったね」

など。敬意や丁寧な表現というよりは相手が自発的に意見を言うよう促す表現と言えるでしょう。「君の意見を聞かせてくれたまえ」「まだ君の考えを聞いたことがなかったけど、どうなんだね?」といった表現だと少々威圧的な響きを帯びてしまう面もあります。「ぜひ伺いたいね」なら「ぜひ聞かせてくれよ」といった意味合いになり、相手も肩の力を抜いて話しやすくなるでしょう。上司と部下の関係を一方通行なものにしないためにも重要な部分と言えるでしょう。

例文(同僚あて)

同僚あてに使う場合には親しい関係にあるのか、ある程度礼儀や敬意が必要な関係なのかによって使い方にも違いがでてきます。親しい関係にある場合には、

「今度みんなで飲みに行こうと思ってるんだけど、君の予定を伺っておきたいな」
「この点についてあなたの考えを伺いたいんだけど、どう?」

といった形で使うことができます。親しい関係だけれども、相手の意志を尊重したうえで都合や意見を尋ねる時に適した表現です。

一方、礼儀や敬意が必要な場合には、

「今回の作業についてあなたの意見を伺いたいのですが、いかがですか?」
「スタッフ全員のスケジュールを把握しておきたいのであなたの都合を伺いたいのですが。都合が悪い日があったらできるだけ早く教えてもらえますか?」

など、「お伺いしたい」「伺いたい」の後に相手の意思を確認する表現を加えることが多くなるのが特徴です。

会議など多くの人が参加している場で同僚あてに使う場合には、親しい関係にあるかどうかに関わりなく丁寧な使い方を心がけましょう。

「この点についてあなたの意見を伺えますか?」

難しいのは、上司がいる場であまり敬意を強めすぎると今度は上司に使う時に難しくなってしまう点です。「お伺いしたい」「伺わせていただきます」は使わずに、うまく丁寧な表現ができるよう心がけましょう。

これを英語でストレートに表現するのは非常に難しく、英語なりにいかに丁寧な表現ができるかがポイントになってきます。

例えば聞きたいことがあるときには「There is something I would like to ask」という表現がよく使われます。「would like to~」は「~したい」という意味ですが、「want to」と比べて相手の許可を得るニュアンスが強い表現です。「There is something」とは「なにかがある」ですから、この例文全体で「聞きたいことがあるので聞いて良いでしょうか?」といった表現になるのです。

また英語に比べて日本語は表現がまわりくどいと言われます。ここはストレートに疑問文で依頼した方が、相手にスムーズに伝わりやすいかもしれません。

英語で丁寧に依頼する時には「Could you~?」という表現が使われます。「Could you ask you something?」で「聞きたいことがあるのでよろしいですか」です。

英語には日本語の敬語に該当する表現はないため、何かを訊きたいときには「ask」を使います。訪問したいときには「visit」です。

まとめ

この「伺いたい」「お伺いしたい」は日常的に使う表現にも関わらず、間違えやすい点が多数ある難しい言葉でもあります。まずは二重の敬意を込めてしまう表現に注意しましょう。「お伺いしたい」はOKですが、それ以外は基本的には避けておいた方が無難でしょう。うまく使えるようになったら、フォーマルな場で「伺いたく存じます」などを使ってみるとよいかもしれません。

繰り返しになりますが、現代社会では過剰な敬意表現が目立つようになっています。そのため動詞にとにかく「お」をつけたり、続けて「いただきます」「させいいただきます」といった表現をつけがちです。そうした影響もあって「伺う」のような動詞そのものが敬意表現となっている場合、シンプルすぎて「本当にこれで敬意を伝えることができるのか」と不安になってしまう面があるようです。その意味では、本当の敬意表現を使えるかどうかを試される言葉とも言えるかもしれません。ぜひとも使いこなせるようになりましょう。

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