敬語の使い方

「親愛なる」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

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パンダ

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「親愛なる」は正しい敬語?

「親愛なる」と聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのは、手紙などの最初の部分に登場する「親愛なるメアリーさんへ」といった使い方ではないでしょうか。英語ではDear Maryと表現し、手紙を渡す相手の名前とセットで使うのが一般的です。海外のドラマや映画の中には、手紙やメールの中で「親愛なるXXさんへ」というフレーズはよく登場します。日本のドラマや映画でも、レトロな作品だと目にすることがあります。どんなシーンでどんな風に使うのが正解なのでしょうか?

「親愛なるXXさんへ」を手紙やメールの中で使う場合、例文としては、

親愛なる山田君へ
寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

というように、手紙やメールの冒頭に、相手の名前とともに「親愛なる」を入れ、誰に対してあてた手紙やメールなのかを明確にします。その後は、季節の挨拶文などを入れた上で、メールや手紙の本題に入ると良いでしょう。もちろん、季節の挨拶文を入れるかどうか、またどんな挨拶文にするかについては、自分と相手との関係によって変わります。

「親愛なる」は、人に親しみと愛情を持っていることを表現する言葉です。愛という言葉が入っていますが、男女間の恋愛というニュアンスはありません。そのため、異性への手紙の冒頭に「親愛なるXXさんへ」と記述しても、愛の告白だと受け取られてしまうことはありません。相手が異性でも同性でも、使い方が変わることはありません。

この言葉がいつどこで使われるようになったのか、その歴史や語源については、はっきりと分かってはいません。もともとは欧米の手紙の中で使われていた言葉が日本へ入り、日本語訳として「親愛なる」になったと考えられています。海外のテレビドラマや映画の作品でよく目にすることを考えれば、納得できそうです。

英文での使い方は、日本語での使い方と大きく変わりません。

Dear Mary(親愛なるメアリーへ)
It's been long time since you left this town.(あなたがこの街を去ってから、ずいぶん時が経ちました。)

というように、英文でも「親愛なるXXさんへ」の後には、短い挨拶文を入れた上で、本題に入るのが良いでしょう。

「親愛なる」に使われている「愛」という言葉には、たくさんの意味があります。私達が「愛」と聞いて連想するのは男女間の恋愛が多いですが、愛が持つ意味はそれだけではありません。親が子供に対して持つ愛情もあれば、友人間で芽生える信頼や友情もあります。

男女間の恋愛に使われる場合には、性愛(エロス)というタイプに分類されます。一方で、親愛に使われる場合には友愛(フィリア)に分類されます。これは家族間とか友人との愛情のことで、信頼とか結束という意味を持ちます。ちなみに、他にも血縁に基づく家族愛(ストルゲー)や宗教観に基づく無償の愛(アガペー)などがあります。

「親愛なるXXさんへ」というフレーズは、手紙の中など書き言葉としてよく使われています。プライベートな手紙やメールでは、日本人でも

Dear 山田君(親愛なる山田君へ)
From 佐藤正子(佐藤正子より)

と、英文のDearを使う人はたくさんいます。日本語で「親愛なる山田君へ」とするよりも、英文の「Dear 山田君」の方がカジュアルな雰囲気があって使いやすいのかもしれません。

このフレーズは手紙やメールの中によく登場しますが、仮に普段の会話の中で使ったとしても、決して間違いというわけではありません。その場合には「その件は、私の親愛なる妻に相談してみます。」というように、形容詞として使うことができます。会話の中で「親愛なる妻」「親愛なる山田君」と使うと、相手に対する大きな敬意を言葉で表現できますし、「親愛なる君」と言えば、目の前の相手に敬意を払って深い愛情と信頼を持っているという意味となります。相手との心の距離をさらに近づけることができるでしょう。

英文でも、お洒落な会話の中にはDear XXが登場することがあります。使い方は日本語と同じで、My Dear wife(僕の親愛なる妻)というように、形容詞としてMy Dear XXのフレーズが使われます。

しかし、ビジネスシーンではどうでしょうか。職場で取引先や上司などにあてたメールや文書に、「親愛なるXX様」と書くことは、ほとんどありません。これは、この言葉がビジネスシーンにおいては常識的ではないと考えられているからです。職場では、同僚や上司、そして部下に対して丁寧語や敬語、謙遜語を上手く使い分けなければいけません。この「親愛なる」という言葉は、分類するなら丁寧語に分類することができますが、どちらかというと個人的な気持ちを表現する言葉なので、ビジネスシーンとは相性はあまり良くないのです。もしも職場でのメールに使うとしたら、使っても非常識に取られない相手は同僚ということになります。

職場の上司とプライベートでも交流があるとか、家族付き合いがあるという場合には、プライベートなシーンでなら「親愛なる山田様」「親愛なる山田先輩へ」「親愛なる山田部長へ」としても失礼に当たることはありません。あくまでもこの言葉はプライベートなシーンに使うものだと考えておきましょう。

英文でも、基本的には「Dear(親愛なる)XX」をビジネス文書において使うことはありません。ビジネスにおいてはあくまでも事務的に、「To XX」を使うことが一般的です。

例文

「親愛なる」は、手紙を書き出す最初の冒頭部分に使われています。しかし、使い方を覚えれば、手紙やメールの冒頭部分だけではなく、文章の中にも入れることができますし、粋な文章作成ができるでしょう。上記の通り、「その件に関しては親愛なる山田君に相談してみます。」のように、山田君という人物の形容詞として使えます。

また、手紙の最後に「親愛なるXXさんへ XXより」と、手紙を書いた人の名前を入れて締めくくるという方法もあります。

親愛なる山田さん
(手紙の本文)
親愛なる山田さんへ 佐藤より

といった書き方もあります。

英文にすると、手紙やメールの冒頭にDear XXと書き、最後にDear XX From XXという書き方となります。

Dear Mary
(手紙の本文)
Dear Mary, From Bob

といったフレーズです。英文においては、文章の最初にDear XXを付けた場合には、最後にSincerely,(心を込めて)といったフレーズとセットにすることが多いですが、その場合でも、From XXを最後に表記することで、文章全体のまとまりが良くなります。

「親愛なるXXさんへ」のフレーズを、文章の最初だけにするのが良いのか、それとも最後にもつけたほうが良いのかは、特に決まったルールなどはありません。ただし、いずれの場合でもプライベートな手紙やメールに適用されるフレーズで、ビジネス文書やビジネスメールでは使用することはほとんどありません。

例文(上司あて)

上司あてに「親愛なる」を使う場合には、ビジネスシーンではなく、あくまでもビジネスとは切り離したプライベートなシーンで使うことを徹底したいものです。例えば、上司と家族ぐるみの付き合いがあるとか、上司に普段からお世話になっているという時には、お礼や感謝の気持ちを伝える手紙やメールに、「親愛なるXX先輩へ」「親愛なるXX部長へ」といった書き出しにするのはOKです。この言葉は相手に対する気持ちや信頼を表現するフレーズなので、目上の人に対して使うと失礼に当たるということはありません。

普段からお世話になっている上司や先輩に対して、このフレーズを使ってメールや手紙を書くと、受け取る相手に対して尊敬する気持ちを持っているというメッセージが込められます。相手にとっては、自分を慕ってくれていると感じることができるので、ほほえましい気持ちになるのではないでしょうか。

ただし、この言葉は相手との距離が近い場合にのみ使うのがおすすめです。むやみやたらに乱用するものではないので、注意しましょう。上司との信頼関係がある程度築けている間柄なら、使っても嫌悪感を持たれたり非常識だと思われることはないでしょう。しかし、職場でしか顔を合わせない上司に対して、手紙やメールで「親愛なるXX課長」などと書くとなれなれしいと思われる可能性は高いですし、不信感を抱かれてしまうリスクもあります。そのため、上司あてに使う場合には、かなり慎重になるのが賢明です。

例文(部下あて)

部下にあてたメールや手紙でも、ビジネスシーンにおいては、「親愛なるXXさんへ」「親愛なるXX君へ」という使い方はほとんどありません。この言葉は、相手との人間関係において、相手への信頼や深い絆を表現します。上下関係などは関係なく、プライベートなら自分の両親へあてる手紙でも使えますし、自分の子供に対しても使うことができます。しかし、ビジネスの場では、相手が上司でも部下でも「親愛なるXXへ」を使うことはほとんどないので、注意してください。

ただし、相手が職場の部下でも、職場以外で個人的な付き合いをしていたり、家族ぐるみで交流があるという場合には、プライベートな部分で使うことはOKです。その場合、「親愛なる山田君へ」と相手の名前を入れても良いですし、「親愛なる君へ」としても使っても良いでしょう。「親愛なる君」とは手紙やメールを読む人のことを指しているので、相手が誰でも使えるフレーズです。多くの場合には「親愛なる友人へ」「親愛なる君へ」「親愛なるあなたへ」などのフレーズで使いますが、自分なりにアレンジしてもOKです。部下にあてた場合には、自分がその部下のことを大切に思っていて信頼しているというメッセージとなり、部下にとっては、上司からプライベートなシーンでそうした手紙やメールを受け取ることはとても嬉しいのではないでしょうか。

「親愛なるXXへ」は、相手が目上の上司でも目下の部下でも、敬語や謙遜語などで言い回しが変わることはありません。英語で表記する場合も同じで、相手がどんな立場の人でも、フレーズは同じDear XXとなります。

例文(同僚あて)

「親愛なるXXへ」というフレーズは、上司や部下に対してはTPOをわきまえなければいけない言葉ですが、同僚に対しては比較的使いやすい言葉です。自分と上下関係にない同僚とは、仕事を通して友人関係を築いていることも多いですし、仕事の苦楽を共にしている同志だと感じている人もたくさんいるでしょう。「親愛なるXXへ」には、そうした友情や信頼、絆という気持ちが込められているため、同僚に向けて使えば、自分が相手のことを同志として尊敬し、信頼しているというメッセージとなります。

具体的な使い方ですが、「親愛なる山田君へ」「親愛なる佐藤さんへ」など、「親愛なる」の後には相手の名前を付ければOKです。苗字か名前のどちらにするのが正解なのかということはなく、普段から使っている相手の呼称をそのまま使っても、失礼に当たることはありません。しかし、「親愛なる」という言葉には丁寧な雰囲気や格式を感じられます。そのため、「親愛なるよっちゃんへ」など、普段相手のことを呼んでいるニックネームをそのまま使うよりも、「親愛なる山田君へ」の方が、全体的なまとまりがつきやすくなるでしょう。

また、「親愛なるXXさんへ」のフレーズには、どことなく優雅な雰囲気もあります。その雰囲気を大切にするなら、メールや手紙に使う際には、書き出し部分で優雅さを損ねないような工夫もおすすめです。

例えば職場の同僚に対して、仕事の後、飲みに誘う場合、

親愛なる山田君へ
今日、暇?飲みに行かない?

というのは、「親愛なる」という言葉が持つクラシックな響きを損ねてしまいます。もしも相手を飲みに誘うメールで「親愛なる山田君へ」というフレーズを使いたいのなら、

親愛なる山田君へ
毎日暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしですか?
本日、相談したいことがありますので、飲みに行きませんか?

にした方が、全体的なまとまりが良くなります。ただし、山田君と毎日顔を合わせている場合や何でも相談できる親友といった間柄だと、「親愛なる山田君へ」のメールを送ると、一体何事かと相手がビックリしてしまうかもしれません。やはりこのフレーズは、相手が同僚でもTPOをよく考えた上で使うべきでしょう。

まとめ

メールや手紙の冒頭に使う「親愛なるXXへ」は、ビジネスシーンには適していない言葉です。相手が上司でも部下でも同僚でも、使うならビジネス以外のプライベートなシーンのみにするのがおすすめです。

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