敬語の使い方

「~のほう」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

お仕事だいすきパンダだよ。 転職はしない方がいいことのほうが多いから、慎重にね

敬語をうまく使えないので、どうすればいいの?
パンダ

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本記事では、「〜のほう」は正しい敬語か?について解説します。

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「~のほう」は正しい敬語?

「~のほう」という言葉は、身の回りでよく耳にする言葉です。特に、ファミリーレストランやコンビニなどで耳にする機会が多いでしょう。たとえばファミリーレストランで食事が終わった後に、店員から「お皿のほうお下げしてもよろしいでしょうか?」と尋ねられたり、コンビニで買い物をする時に、「500円のほうお返しします」、「お箸のほうはお付けしますか?」と言われたりします。

よく聞く言葉なので、ビジネスシーンで使っている方もいるのではないでしょうか。たとえば「こちらの欄のほうにサインをお願いします」や、「プランのほうはこちらでよろしかったでしょうか?」などです。

しかしこれらはいわゆる「バイト敬語」と呼ばれるもので、正しい表現ではありません。ビジネスシーンでの使用には適していないので、注意が必要です。

バイト敬語とは、ファミリーレストランやコンビニなどで働いている店員が使用する言葉のことを指します。「~のほう」の他にも、「1000円からお預かりします」の「~から」や、「1000円になります」の「~になります」、「コーヒーでよろしかったでしょうか?」の「よろしかった」などが挙げられます。

遠回しな表現を使うことで一見丁寧な雰囲気を演出していますが、過剰な表現であり、どれも正しい敬語ではないのです。また、アルバイトをしている人だけが使用するわけではなく、会社員であっても使用する人が増えています。

さらにこれらの言葉はメディアでも取り上げられており、日本語の乱れとして指摘されているのです。それゆえ、正しい表現ではないということを知っている人が多く、場合によっては不快に感じる人もいます。間違った表現を使うことでマナー違反だと思われるかもしれないので、言葉選びには注意を払う必要があります。

では、なぜ「~のほう」が正しい表現ではないのでしょうか。そもそも「~のほう」には、いくつかの意味があります。1つ目は、だいたいの方向を表すもの。たとえば「駅は東のほうにあります」や、「お店はあちらのほうにあります」、「音のするほうに歩いていく」などの使い方ができます。

2つ目は、2つ以上のものを比較する意味です。たとえば「飲み物はコーヒーと紅茶がありますが、コーヒーのほうが飲みやすいです」、「メニューはAとBとCがあります。AのほうがBやCよりも安いです」といった使い方ができるでしょう。「性格は明るいほうです」など、「どちらかというとこちらだ」と言いたい時にも使えます。

そして3つ目は、方法ややり方という意味。これらの使い方は正しいので、違和感も全くありません。

しかし敬語として使われる「~のほう」は、方向を表しているものでも、何かを比較しているものでもありません。何かの方法を表しているわけでもないでしょう。つまり、特に意味がない言葉なのです。

では、意味がないのになぜ「~のほう」という言葉が使用されるようになったのでしょうか。それは、「~のほう」が持つ、「分野などを漠然と表す、指し示すものをあいまいにする」という効果が派生したためであると考えられます。なんとなくぼかして伝えることで直接的な表現を避けて、丁寧さを表現しているのでしょう。

従って「~のほう」は特に意味がない言葉なので、基本的には使用しないほうが良いです。特に丁寧な言葉遣いが求められる、上司などの目上の方の前では使わないようにしましょう。

例文

「~のほう」は便利な言葉なので、ついつい使ってしまうことがあります。特にアルバイトをしていた時に頻繁に使っており、癖になってしまっている方もいるでしょう。しかし、不必要な言葉を付けると分かりにくい表現になってしまうので、むやみに使わないことをおすすめします。

例文(上司あて)

上司と会話したりメールを送ったりする際は、特に言葉遣いに気をつけてください。

たとえば、会議中に資料を見てほしいシーンはよくあるでしょう。その場合に、「それでは、一度資料のほうをご覧ください」と言ってしまいがちです。しかし「のほう」は必要ない言葉なので、「それでは、一度資料をご覧ください」と言うようにしてください。

ただし、資料がいくつか存在する場合には「~のほう」を付けても問題ありません。たとえば資料Aと資料Bがある場合は、「それでは、資料Bではなく資料Aのほうをご覧ください」と言っても違和感がないでしょう。

上司にはんこを押してもらう際にも、「こちらの書類のほうに押印をお願いします」などと言ってしまうことがあります。この時も「のほう」は不要であり、「こちらの書類に押印をお願いします」という表現で問題ありません。

さらに、メールで文章を書く場合はさらに注意が必要です。たとえば上司に何らかの報告のメールをする場合、以下のようなメールを送るケースがあります。

「件名:××についてのご報告
□□部長

お疲れ様です。○○課○○です。

××についてはプランAで進める予定でしたが、不備が見つかったため、今後はプランBで進めることとなりました。
急な変更で大変申し訳ございません。

あらためて△△(人の名前)からもご報告いたします。

何卒よろしくお願いいたします。」

この場合、「△△のほうからもご報告いたします」と書いてしまうケースがあります。しかし「のほう」は不要なので、例文のようにシンプルに「△△からもご報告いたします」や「△△よりご報告いたします」と書くようにしましょう。

ただし、人の名前の後ろにあえて「~のほう」を付けることで、その人を強調する効果が得られるケースがあります。たとえば普段は自分が連絡を取っているが、急に別の人が連絡をする場合などは、強調するために「~のほう」を使用しても問題ないといえます。

今回の例文で、「あらためて報告する人が私ではない」ことを強調したいのであれば、「あらためて△△(人の名前)のほうからもご報告いたします。」と書くという選択肢もあります。ただし特に強調する必要がない場合は、あまり使用しないようにしましょう。メールを送る状況などに合わせてその都度判断してください。

なお、ビジネスシーンでは英語を使用する場面もあります。しかし、英語で日本語の「~のほう」のようなニュアンスを伝えることは、非常に難しいでしょう。また、丁寧さを表現するための「~のほう」は本来要らない言葉なので、英語でもそれほど気にする必要はありません。

たとえば会議中に資料を見てほしい場合は、「Please look at these documents.」(こちらの資料をご覧ください)などと伝えることができます。文頭に「Please」を付けることで十分に丁寧な表現になるので安心してください。

しかし、特に英語でメールを送る場合は、もう少し丁寧な表現をしたいと思う方もいるでしょう。そのような場合は、使用する単語の選び方などでフォーマルな印象になるように工夫してみてください。

たとえば「I was wondering if you could~.」(可能でしたら~していただけますでしょうか)や、「May I ask ~?」(恐れ入りますが~)、謙遜語の「Could you~?」(~していただけますか?)などを活用するといいでしょう。

さらに文末には「Yours sincerely, Mr.(相手の名前)」などを付けることで、非常に丁寧にメールを締めくくることができます。

そして会話でも、簡単に丁寧語を使用することができます。たとえば「ありがとうございます」を「Thank you」ではなくて「I appreciate it.」にする。「そう思います」を「I think so, too.」ではなくて「I agree with you.」にする。「~したい」を「I want to ~」ではなくて「I would like to~」にするなどの工夫によって、上司相手でも自信を持って英語を使うことができるのではないでしょうか。

英語で「~のほう」のようなあいまいなニュアンスを表すことは難しいので、フォーマルな言葉を選ぶことによって相手に敬意を示しましょう。また、英語でメールを送る前にはしっかりと見直して、スペルミスなどが無いかどうかをチェックすることをおすすめします。日本語よりも間違えやすいので注意してください。

例文(部下あて)

部下に指示をする時などにも、「~のほう」を多用しないように気をつけてください。

たとえば部下から資料のチェックをお願いされた場合、「資料のほう確認しました。全体的にまとまっていて良いと思います」のように言ってしまうことがありますが、この例文の場合「~のほう」は不要です。「資料を確認しました」で意味が通るので、不要な言葉は付けないようにしましょう。

もちろん、いくつかの選択肢の中から1つを選ぶ場合は、「~のほう」を使用しても大丈夫です。たとえば部下からメールで相談を受けた場合は、以下のように返信することができるでしょう。

「件名:○○プロジェクトの件
△△さん

お疲れ様です。○○です。

先日は、□□プロジェクトに関して相談していただきありがとうございました。

プランAとプランBの概要を拝見しましたが、××という理由からプランAのほうが適していると感じました。
△△さんの参考になれば幸いです。

もし疑問などがあれば、またいつでも相談してください。よろしくお願いいたします。」

この場合はプランAとプランBを比べているので、「~のほう」を使用しても大丈夫です。

また、部下に対してどのような言葉を使用するかということは、会社のルールなどに従ってください。部下にため口を使うことで距離感が縮まることが期待できるので、あえてため口を使う方もいるでしょう。

しかし、中には上司から敬語を使われることで恐縮したり、距離を感じたりする部下もいます。話し方によっては冷たくて怖い印象を与える可能性もあるので、なるべく柔らかい口調で話すなどの工夫をしてみてください。

例文(同僚あて)

年齢の近い同僚相手であれば「~のほう」という言葉を聞き慣れているので、その言葉を使用しても違和感を持たれない可能性はあります。しかし同僚相手であっても、ビジネスシーンでは正しい表現を使ったほうが良いでしょう。同僚との会話を上司や取引相手などが聞いている可能性もあるので、仕事中は気を抜かないようにしてください。

たとえば、メールで同僚にプロジェクトの担当が変わったことを伝えたい場合、以下のような文章が作成できます。

「件名:プロジェクト担当者についてのご報告
△△さん

お疲れ様です。○○課○○です。
この度、プロジェクトの担当者が私から○○課の□□に変わりました。

従って、今後は私ではなく□□のほうからご連絡します。

お手数をおかけして申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。」

これは、「~のほう」を使用しても問題ない場合の例文です。上司あての例文でも少し解説しましたが、「~のほう」を使用することで、今後担当する人が変わるということを強調しているのです。

ただし、どこまで丁寧な言葉を使うのかという線引きは、会社や人によって異なります。休憩中は同僚とため口で話す方も多いでしょう。そこの線引きは部下への言葉遣いと同じく、会社のルールや個人の考えなどによって変えてください。

まとめ

「~のほう」は日常生活でよく耳にする言葉です。コンビニや飲食店などを毎日利用する場合は、毎日聞く機会があるでしょう。そのため、特に意識していなくても仕事中に「~のほう」を使ってしまうのです。使うことでなんとなく柔らかい印象になるので便利ですが、本来は要らない言葉なので気をつけてください。

また、言葉は歴史の中で変化していくものです。「~のほう」をはじめとするバイト敬語は時代の流れの中で誕生した言葉なので、今後ビジネスシーンで普通に使われるようになる可能性もゼロではありません。しかし、多くの上司や目上の方にとっては違和感がある言葉なので、なるべく避けた方が安心でしょう。

敬語は相手を不快にさせないように使う言葉なので、相手への配慮が何よりも大切です。「~のほう」を使うことで丁寧な印象になるかもしれませんが、同時に回りくどくて分かりにくい表現になる恐れもあります。そのため、相手が聞き取りやすい、理解しやすい言葉選びを心がけましょう。

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