敬語の使い方

「業務にあたる」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

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パンダ

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「業務にあたる」は正しい敬語?

ブロジェクトなどに携わるときによく使われる表現「業務にあたる」。これは敬語なのかどうか?目上の人や取引先などに使っていい表現なのかどうか?日頃当たり前のように使っているだけに改めて聞かれると返答に困る、というビジネスパーソンも多いのではないでしょうか?

この表現の歴史そのものは決して古いわけではなく、現代ビジネスの中で広く使われるようになったものです。それだけに、敬語かどうかを知るためにはまず正しい使い方を知っておきたいところです。

この「業務にあたる」のポイントは「業務」と「あたる」の2つの言葉によってなりたっている点です。業務とはもちろん仕事や作業のことですから、より重要なのは「あたる」の部分ということになります。

「あたる」には「ぶつかる」「ぶつける」という意味に加えて「とりくむ」「チャレンジしてみる」といった表現も含まれています。ですから「業務にあたる」とは「仕事に取り組む」といったニュアンスで使われるのが一般的です。

「これから業務にとりくむ」よりも「業務にあたる」といった方がシンプルな印象がありますし、やや硬い表現にも感じるのでビジネスシーンでの利用に適しているのでしょう。なお、「ぶつかる」という面からもうかがえるように漢字で書くと「業務に当たる」となります。

現代ビジネスでは業務の細分化や専門家が進んでおり、ひとつのプロジェクトを推進していくうえで多くの部署やスタッフが分担して作業を進めていくことになります。その場合、それぞれの部署が好き勝手に作業を進めていたのでは全体の進捗がはかどらなくなる恐れもありますし、連携が上手く行っていないと途中で思わぬトラブルに見舞われるケースも出てくるでしょう。

そうした状況において進捗状況の確認、あるいは特定の業務を誰が担当しているのかを確認するときなどによく「業務に当たる」が使われます。「彼は今何をやってるんだ?」「○○の業務に当たっていますよ」といった表現を使うわけです。

ですから、基本的には今現在担当している業務を説明するときに使われる言葉です。具体的な仕事内容を説明するときに使われることもあれば、配属している部署について説明するときにも使われます。そのため、日頃頻繁に使われることも多くなるのでしょう。

ただし表現の仕方によっては、過去・未来に担当する業務について説明するときにも使われます。とくに多く見られるのが転職や転勤、配属先が変化した際に、以前働いていた部署や仕事について説明する際です。「○○の業務にあたっておりました」といった表現が使われます。

過去の業務の説明について使う場合には「継続的にその業務を担っていた」点がとくに重視されます。その業務を継続して担当してきたので、それなりのスキルやノウハウを身に着けています、という自己アピールの意図も込められているわけです。ですから「あたっておりました」など、継続的な印象を込めた表現が使われることが多いようです。

逆に未来の予定について使われる場合もあります。「来月から○○の部署で業務にあたる予定になっています」といった表現です。基本的には予定がすでに決まっていること、ですから比較的近未来のことを説明するときに使われます。あまり遠い先、「将来的に○○の部署で業務にあたりたいと思っています」といった使い方はあまりされません。すでに具体的なプロジェクトが存在し、その中で配属される部署、担当する業務が決まっているときに使われるのが一般的です。

未来の表現としては、職場に新しい業務ができたときに使われることがあります。例えば、現在ビジネスではIT関連の新技術が職場に新規導入する機会も増えています。そんなときに「今度導入されるシステムは誰が担当することになるのか」「○○くんがシステム管理の業務にあたる予定です」といった形です。これもやはり近い将来の予定に対して使われるのが一般的です。

そしてもうひとつ、この表現には「この業務を責任を持って担当しています」といったニュアンスも含まれています。上司や取引先に向かって「この業務はわたしがあたっております」といった場合、その業務に対してある程度の責任を負っていることになる、何かあった場合には相手に向かって説明や弁解などをする必要が出てくることになります。これは自分が担当していることを告げるときにとくに見られるニュアンスなので、気をつけたい部分です。逆に他の人について説明するとき、例えば「彼は今経理の業務にあたっています」を使った場合には単にその「彼」が経理の業務を行っているだけに過ぎず、その業務について大きな責任を持っているニュアンスは基本的にはありません。

こうして見ても「業務にあたる」という表現は、職場における非常に幅広い領域について使われる言葉だということがわかります。また例文からもうかがえるように、立場が上の人からの問いかけに対して説明するときに使われるケースが多い点も大きな特徴です。部下や後輩に対して「わたしがあの業務にあたることになったよ」などと使うケースはあまり見られません。

こうした事情もあって、この表現が敬語表現なのかどうかという意見が出てくるのでしょう。まず間違いないのは、会話の中において自分の行動か、第三者の行動について説明するときに使われるのですから、尊敬語ではないことです。「部長がこの業務にあたってくださると幸いです」といった尊敬語的な表現はまず使われません。

では丁寧語、謙遜語としてはどうか?これは使い方によります。「業務にあたる」そのものは敬意が伴った表現ではなく、あくまで事実を説明するだけのものです。上司から「あの仕事はだれがやるんだ」と聞かれたときに「わたしが業務にあたる」では明らかにふさわしくないでしょう。ですから、使い方次第で丁寧語にも謙遜語にもなるのです。

例文

このようにいろいろなニュアンスを込めて使われるうえに、シチュエーションによって丁寧語にもなり謙譲語にもなる、さらには使い方を間違えると失礼な表現になってしまいかねない部分もあるだけに注意が必要です。具体的にどのようなシチュエーションで使われるのか、例文もチェックしながら正しい使い方を身に着けていきたいところです。

例文(上司あて)

この表現がもっとも多く使われるのは上司に対してでしょう。まず多いのが、ある業務について誰が担当しているのかを聞かれたときに答えるケースです。

「彼は経費計算のため会計ソフトの入力業務にあたっています」

この表現では「あたっています」を使うことで上司に対する敬意を込めています。日常では「あたる」を使う機会は少なく、「あたっています」「あたります」が多くなります。

また、この表現では今現在業務を続けている印象を与えますが、今この瞬間作業を行っているニュアンスが強くなるのが特徴です。文章に出てきた「彼」のところへ行けば、まさにパソコンと向き合って入力作業を行っている姿を見ることができるでしょう。

「彼は経理でおもに経費計算の業務にあたっています」

先ほどと似たような表現、それどころか同じ表現のようにも見えますが、少々違ったニュアンスが出てきます。先ほどの表現は今この瞬間に業務を行っている印象が強いのに対して、こちらは日常的に担当している業務について説明している印象が強くなっています。この「彼」は日頃経理の部署で経理計算をおもに担当しながら勤務しているわけですが、この会話がかわされたその日は休日でいないかもしれませんし、たまたま別の用事があって席を外しているかもしれません。あくまで経費計算がメインの仕事で日頃から担当しているという意味であって、今現在その業務に勤しんでいるとは限りません。

この両者の例文の違いは、具体的な作業が含まれているかどうかです。パソコンと向き合ってソフトを使っている表現が使われると今現在その業務にあたっている印象が強くなり、やや漠然とした表現が使われると日常的に担当している業務を説明している印象が強くなるわけです。

似たようなケースも見てみましょう。

「彼は事務関連の業務にあたっています」
「彼は事務で受付の業務にあたっています」

前者は日常的な業務の担当しているニュアンスが強くなりますが、後者は日常的な業務と今現在行っている業務のどちらにも受け取れる印象になります。上司に対して使うときには「あたる」を丁寧に使うだけでなく、曖昧な面をできるだけ排除し、相手が知りたいことを明確に伝えられるような表現を心がけることが重要になってくるわけです。今現在行っている業務を説明したいときには「彼は今事務で受付の業務にあたっています」など、リアルタイムな印象を与えられる表現を加えるとよいでしょう。

上司に対してはもうひとつ、過去の業務について説明するときにも上手な表現を心がけたいところです。例えば転属・転職の際に、新しく上司になった人に対して過去の実績を説明するときなど。

「前の職場では営業の業務にあたっていました」

といった表現が使われます。この場合は繰り返しになりますが、あくまで継続的に担っていた業務について「あたる」という言葉を使います。例えば、メインの仕事は営業なのにわずかな期間に担当していた経理の経験について説明するときに「経理の業務にあたっていました」という表現は使われません。「経理の業務も担当していたことがあります」などの表現を使う必要があります。この点も曖昧さを避け、相手に自分の過去の実績を伝えられるよう心がけましょう。

また、こうしたケースでは上司は過去の経験からどのようなことができるのか、どんな仕事に向いているのかをチェックする面もありますから、できるだけ細かい説明を加えるのもポイントです。

「前の職場では営業でおもに新製品の販路開拓の業務にあたっていました」

と言えば飛び込み営業が得意、コミュニケーション能力に優れているといった推測ができるようになります。

例文(部下あて)

部下あてに使う場合には語尾をどう使うかがポイントになってくるでしょう。例えば以下の例文。

「今度のプロジェクトでは君は取引先との交渉の業務にあたってくれ」
「今から君は新システム導入の業務にあたれ」

など命令形で表現する方法もあります。命令形は頭ごなしになってしまう危険がある一方、この表現においては「この仕事はお前に任せたぞ」と託す意味合いもでてきます。前者をできるだけ避けながら後者をうまく伝えられるかどうかが鍵となるでしょう。そのためにも一方的に仕事を押し付ける印象はできるだけ避け、その仕事についてよく説明したうえで「ぜひお前にやってもらいたい」という印象をもたせることが重要です。

依頼の形で使う機会も出てくるでしょう。

「今回のこの業務はぜひ君にあたってもらいたいのだが」
「少々困難なタスクだがこの業務を君にあたってもらえるとありがたい」

など。へりくだる謙譲語としての表現ではなく、ここでもやはり部下を信頼し、大事な仕事を託すニュアンスをうまく込められるかどうかが鍵になるでしょう。

例文(同僚あて)

同僚相手の場合はそれほど難しく考える必要はないかもしれませんが、相手との人間関係によって使い方が異なってきます。同僚のように立場が対等な人同士で「業務にあたる」という表現を使う機会は少ないかもしれません。

同僚あてに使う場合には依頼を込めた表現がよく使われます。

「あの仕事はお前があたってくれないか?」

ただこの場合は「お前がやってくれないか」の方がスムーズなので、使う機会はすくないかもしれません。

確認のために使われることもあります。

「お前があたっているあのプロジェクト、どうなってる?」
「あの面倒な仕事、お前があたってるんだって?」

など。こうした表現では相手がその業務に対してある程度重要な立場にあり、大事な仕事(または面倒な仕事)を担当しているケースが多くなります。

これらの例文を見ても、同僚あてに使う場合には「あたる」で終わることは少なく、文中に挿入する形で使われることが多くなります。それだけバリエーションも豊富にあるので、正しい使い方を踏まえたうえで使いこなす工夫が求められるでしょう。

英語表現ですと「be in charge of」で「担当する」表現になり、そこに「business」を加えれば「業務に当たる」として使えます。例えば、

「He is in charge of the business now(彼は今その業務に当たっています)」

などです。

まとめ

とくに難しい表現ではありませんが、ビジネスのシーンでは細かい使い回しができるかどうかが重要な意味合いを持ってくるでしょう。立場が上の人に対して使うのか、下の人に使うのか、今現在の状況について使うのか、継続的な環境について使うのか、TPOをわきまえたうえでの使い方を心がけましょう。

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