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本記事では、「ご無沙汰しておりました」は正しい敬語か?について解説します。
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「ご無沙汰しておりました」は正しい敬語?
「ご無沙汰しておりました」はビジネスシーンだけでなく、日常会話においてもよく耳にするフレーズですし、しばらく顔を合わせていなかった人に対しては、挨拶として使うフレーズとしても知られています。
歴史の中においては、「便りがない」という意味を持つ「無沙汰」という言葉で使われてきました。
「ご無沙汰しておりました」に含まれている「ご無沙汰」には、取引や連絡がしばらくの期間途絶えてしまったことに対して、相手に謝罪するというニュアンスが込められています。
そのため、自分よりも目上の人に使っても問題はありませんし、相手に対して失礼に当たることもありません。
社内なら、自分よりも目上となる上司に使えます。
また、取引先や顧客など社外の人に対しては、相手の年齢に関係なく使うことができます。
「ご無沙汰しておりました」の「ご無沙汰」という言葉の中には、連絡をしなかったことに対する謝罪のニュアンスがあります。
そのため、相手の連絡先を知っていて、連絡しようと思えばできる状態だったけれどしなかった場合には、軽い謝罪の意味がフレーズの中に含まれます。
しかし、「ご無沙汰しておりました」のフレーズを挨拶の一環として使う場合が多いため、きちんと謝罪もしたいのなら、謝罪の言葉とセットで使うと良いでしょう。
例えば、過去にこちらから一方的に連絡を絶ってしまい、一定期間が過ぎたのちにバッタリ再会したという時には、「ご無沙汰しておりました」だけではなく、謝罪の言葉とセットにして「ご無沙汰しておりました。その節は大変申し訳ありませんでした。」とすれば、相手への謝罪の気持ちがシッカリと伝わります。
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一方、「ご無沙汰」という言葉に含まれている謝罪のニュアンスを違和感だと感じるなら、「ご無沙汰しておりました」ではなく「お久しぶりでございます」など、別の同義語に置き換えるという方法もアリです。
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「お久しぶりでございます」は目上の人に対して使っても失礼に当たらないフレーズです。
お互いに連絡先などは知らず、連絡するべき関係でもなかった時などには「お久しぶりです」でも問題はありません。
ただ、挨拶のフレーズとして「ご無沙汰しておりました」を使ったとしても、謝罪していると受け取る人は少ないでしょう。
「ご無沙汰しておりました」のフレーズは、そのまま定型文として使っても良いですし、少しアレンジして使う方法もあります。
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- 「久しくご無沙汰しております。長らく連絡ができず、失礼いたしました。」
- 「ご無沙汰しておりました。今日、お会いできると思っていなかったので、お会いできて本当にうれしいです。」
- 「長い間ご無沙汰しております。数年前、投資のセミナーでご一緒させていただきました、山田と申します。」
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などの使い方があります。
久々に会った相手から「ご無沙汰しておりました」と言われたら?
もしも久しぶりに会った相手から「ご無沙汰しておりました」と言われたら、こちらはどのように返すのがビジネスマナーなのでしょうか?
気の利いたことを言うのも良いですが、まずは「こちらこそ、ご無沙汰しておりました。」と返しましょう。
この会話のキャッチボールによって、「久しぶり!」という挨拶が成立します。
その先に会話を進めるのなら、お互いの近況を報告し合うというのが自然な流れとなります。
「ご無沙汰しておりました」は、ビジネスシーンにおいては使い勝手がとても良いフレーズです。
そのため、正しい使い方を覚えておくと、いろいろな所で役立つ機会があるでしょう。
しかし、「久しぶり!」というニュアンスがある言葉なので、毎日職場で顔を合わせている人に対しては、なかなか使う機会はありません。
金曜日に顔を合わせていたのに、週末をはさんだ月曜日に出社して「ご無沙汰しておりました」というのは、使い方の点でNGです。
「ご無沙汰しておりました」の期間
それでは、「ご無沙汰しておりました」を使って違和感がない期間はどのぐらいの期間なのでしょうか?
「久しぶり」というニュアンスを持つ同義語には、「しばらくぶり」「ご無沙汰」などがあります。
この中でも、目上の人に対しても使える「ご無沙汰」は、顔を合わせていない期間という点では他の同義語よりも長くなります。
目安としては、数か月~数年ぐらいといったところでしょうか。
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最後に顔を合わせてから2~3週間しか経っていないのに「ご無沙汰しておりました」と使うと、とても不自然です。
それに、言われた側にとっては「数週間前に会ったことを忘れたのかな?」と不快に感じてしまうかもしれません。
そのため、どんなタイミングで使うかについては、慎重になるのが賢明です。
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「ご無沙汰しておりました」の英語表現
英語表現での「ご無沙汰しておりました」には、「It’s been a long time.」「It’s been for a while.」などがあります。
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英会話などにもよく登場する「Long time no see」もありますが、カジュアルすぎる表現なので、使う場面に注意したほうが良いでしょう。
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英語には、尊敬語とか謙遜語と言った敬語は存在しません。
しかし、言葉の選び方によって、丁寧な意味を持つフォーマルな表現方法やワードがあります。
目上の人に対して使うのなら、できるだけフォーマルに近いワードや表現方法を選ぶことで、相手に対して失礼にならないフレーズを作れます。
「ご無沙汰しておりました」は、文末をアレンジして「ご無沙汰しております」として使うこともできます。
どちらも意味は同じなので、どちらを使えばOKで、どちらが失礼になるということはありません。
どちらも同じ意味で使えますし、「久しぶりです」というニュアンスを表現したいタイミングなら、対面でも電話口でも、またメールや手紙などの文章で使うこともできます。
例文
しばらく顔を合わせていなかった相手に対して使う「ご無沙汰しておりました」というフレーズは、さまざまな使い方があります。
自然な会話として成立させたい時やコミュニケーション能力がある自分を演出したいのなら、
- 「ご無沙汰しておりました。お変わりありませんか?」
- 「ご無沙汰しておりました。その後、どうお過ごしですか?」
などと、相手の近況を引き出す質問を投げかけると良いでしょう。
もしも最後に顔を合わせた時の場所や時期を覚えているなら、
- 「ご無沙汰しておりました。3年前の投資セミナー以来ですね。」
と会話を進める方法もあります。
相手にとっては、最後に会ったのがいつだったのか、あなたが覚えていたことに対してとても嬉しい気持ちになるでしょう。
例文(上司あて)
「ご無沙汰しておりました」は、「お久しぶりです」というニュアンスを持つフレーズの中では最上級の丁寧さがある謙譲語です。
そのため、目上の人に対して使っても、相手に対して失礼になることはありません。
目上の人に使ったら相手が激怒する、という心配もありません。
上司に対してこのフレーズを使う際には、相手と顔を合わせていない期間がどのくらいあるのかによって、このフレーズが適しているかどうかを判断する必要があります。
2~3週間しか離れていなかったのなら「ご無沙汰しておりました」は大げさですし、敬語としての使い方は間違っていなくても、使うタイミングという点では間違っているでしょう。
もしも最後に会ったのが2~3週間前なら、「ご無沙汰しておりました」ではなく、「お久しぶりです」ぐらいの方がしっくりくるでしょう。
[st-kaiwa1]「ご無沙汰しておりました」のフレーズを使って不自然にならないのは、相手と最後に顔を合わせたのが数か月前から数年前ぐらいが目安でしょう。[/st-kaiwa1]
上司に対して使うのなら、例えば上司が異動や転勤などで職場が変わってしまい、久しく顔を合わせていなかった時などには、「ご無沙汰しておりました」を使っても不自然にはなりません。
- 「ご無沙汰しておりました。お元気ですか?」
- 「ご無沙汰しておりました。お変わりありませんか?」
などをフレーズとして使うことができます。
もしも、自分の結婚式の際に上司が仲人を務めてくれたなど、仕事以外の部分でも多少の関わりがあった場合には、「ご無沙汰しておりました。本来ならこちらからご挨拶すべきところを、大変申し訳ございません。」と謝罪の言葉を添えると、丁寧さがさらにアップします。
たとえ、結婚式以来ずっとお中元やお歳暮などの季節の挨拶を欠かしておらず、上司も直接挨拶に足を運ばないことを失礼だと思っていなかったとしても、です。
相手の連絡先を知っていたけれど連絡しなかった場合には、「ご無沙汰しておりました」のフレーズと謝罪のフレーズをセットにすることで、よりフォーマル感が出ます。
久しぶりに再会した上司に対して使える「ご無沙汰しておりました」ですが、久しぶりではない場合、例えば2週間程度の出張から帰ってきた上司に対して「ご無沙汰しておりました」などと使うと、嫌みに取られてしまう可能性が高くなります。注意しましょう。
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手紙やメールなどで「ご無沙汰しておりました」を使う場合には、文章の冒頭部分の挨拶の一つとして使うのがおすすめです。
「ご無沙汰しておりました。寒い日が続いておりますが、お変わりありませんか?」のように季節の挨拶文とセットで使えば、読む側にとっては文章が自然に入ってきます。
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「ご無沙汰しておりました」を英文で表現する際には、「It’s been a long time!」「It’s been for a while!」などが良いでしょう。
文法がシッカリしていることによって、フォーマル感を出すことができます。
それに、一つの文章が長すぎないことで、親近感や嬉しさを表現することもできます。
例文(部下あて)
「ご無沙汰しておりました」に含まれている「ご」は、相手を敬うニュアンスを持つ謙遜語です。
そのため、目の上の人に対してこのフレーズを使うのはOKですが、部下に対して使うとかなり不自然になりますし、違和感が大きくなります。
相手の部下にとっても大きな違和感を感じることになるため、部下に対しては使わないようにしましょう。
「久しぶり」というニュアンスのフレーズを部下に対して使うなら、「ご無沙汰しておりました」ではなくて「お久しぶりです」「しばらくぶりです」ぐらいがおすすめです。
「お久しぶりです」は目上の人に対しても目下の人に対しても使える言葉なので、部下に使っても問題ありません。
「お久しぶりです」をアレンジして「お久しぶり!」としても良いでしょう。
また、「しばらくぶりです」は、敬語ではなく丁寧語です。
こちらは目上の人に対して使うのはNGワードですが、部下に対して使うのなら失礼に当たることはありません。
部下に対する「しばらくぶりです」「お久しぶりです」を英語で表現するなら、TPOによって表現方法を変えると良いでしょう。
例えば、フランクなメールやカジュアルなシーンでなら、「Long time no see!」でも問題はありません。
しかし、ビジネスメールだとカジュアルすぎて非常識だと受け取られてしまう可能性があるので、注意が必要です。
ビジネスメールの中では、相手が部下の場合でも「It’s been for a while.」など、ある程度フォーマル度を残した表現方法がおすすめです。
例文(同僚あて)
「ご無沙汰しておりました」は謙譲語なので、基本的には上司など目上の人に対して使うのが正解です。
しかし、相手が部下のように目下でなければ、基本的には使っても間違いではありません。
そのため、もしも久しぶりに再会した同僚に対して「ご無沙汰しておりました」と言ったとしても、ビジネスにおいては間違った使い方にはなりません。
しかし、同志とも呼べる同僚に対して、謙譲語の「ご無沙汰しておりました」を使うのは、お互いになんとなく距離を感じてしまうのではないでしょうか。
同僚に対しては、もっと親近感を出すという目的で、「ご無沙汰!」とか「しばらくぶり!」「お久しぶり!」などのフレーズを使うのが良いでしょう。
まとめ
「ご無沙汰しておりました」は、自分をへりくだって相手を立てるニュアンスを持つ謙遜語です。
そのため、社外なら取引先や顧客に対して使える他、社内では自分よりも目上の上司に対して使うことができます。
また、相手が目下の部下でなければ謙譲語を使っても間違いではないため、同僚に対して使うのもOKです。
部下に対して「ご無沙汰しておりました」を使うのはNGなので、その場合には「お久しぶりです」とか「しばらくぶりです」といった同義語のフレーズを使いましょう。
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