敬語の使い方

「とんでもないです」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「とんでもないです」は正しい敬語?

わたしたちの母語である日本語は、同じ意味を伝えるにも様々な言葉で表現できる言語です。世界広しと言え、そのような言語は他にはあまり無いため、日本語はとても美しい言語だとよく言われます。その一方で、習得するのはとても難しい言語の一つでもあります。日本語学習をしている外国人にとってはもちろんそうですが、わたしたち日本人であっても、文法や単語を間違ってしまうことは多々あります。中には多くの人が間違っていることを認識せずに使っている言葉遣いや表現もあるため、間違って覚えてしまっていたり使ってしまっている表現もあります。

しかし、ビジネスシーンや社会生活において、わたしたちの母語である日本語を正しく用いることは非常に大切です。わたしたちが使う言葉によって相手に敬意や愛情を表すこともできれば、逆に不信感や不快感を与えてしまうこともありえるからです。特にビジネスシーンにおいては、間違った言葉遣いによって上司や取引先の人に不快感を与えてしまうことは仕事の失敗にも直結する事柄なので、正しい日本語、とりわけ敬語を使うことは重要です。逆に小さなことであったとしても、言葉遣いに注意を払って正しい日本語を使っているのであれば、好印象を持ってもらうことができるかもしれません。今回は、よく使われていて耳にすることも多い「とんでもございません」という表現について考えてみたいと思います。

よく上司や取引先の方から謝礼を述べられたり、賛辞をいただいたときなどに「とんでもございません」という言い方を耳にしますが、実はこの言い方は間違った言い方です。「とんでもございません」という言い方は文法的に間違っており、正しい表現は「とんでもないです」です。この「とんでもないです」という表現は、「とんでもない」という形容詞と、「です」という丁寧語から出来上がっている言葉です。「とんでもございません」という言い方は、「とんでもない」の「ない」という部分を丁寧な言い方にすれば良いだろうと考えて出来上がったものと思われますが、「とんでもない」はこれで一語の形容詞なため、そのように語尾を言い換えることは文法上の誤りになります。

さらに詳しく説明しますと、「とんでもない」は「途(と)でもない」が語源であり、この言葉が変化してできた言葉と言われています。「途」という語からは「途中」や「途上」、「前途」などの熟語を思い起こされる方も多いかと思いますが、「道筋」や「方法」もしくは「手段」などを意味する語です。この語に否定語である「ない」がくっつくことによって、「道筋から外れた」とか「方法が違う」、つまり「思っていたことと違う」ということを表現する言葉になりました。そのため、「とんでもない」という言葉だけならば「思いがけないこと」を表す言葉として用いることができます。「取引先とのことですが、とんでもないことになりました」とか「とんでもないことをしでかした」というように、非常事態が発生したときなどに用います。

別の用法としては「道から外れたこと」を表す言葉なので、「けしからぬこと」を表現することに使うことができます。「とんでもない人間だ」とか「とんでもない会社だ」といったように、名詞を修飾して用います。常識からひどく外れたひどい様子や失礼な態度などを批判する表現です。

もう一つの用法が、強い否定を表す言葉としての「とんでもない」です。あらぬ非難を受けたときに「とんでもない。わたしではありません」など、強く否定したいときに用いる表現です。ビジネスシーンでしばしば使う「とんでもないです」という表現は、この強い否定を表す「とんでもない」という語に、丁寧な表現である「です」がくっついた言葉です。「とんでもない」の丁寧な表現になり、謙遜な態度で否定の意を表したいときに用いることができます。この「とんでもないです」という言葉は「そんなことはないです」「滅相もないです」といったニュアンスを持ち、相手の言葉を否定するときなどに用いることができる表現です。特に謙遜を含めた否定表現になるので、上司や取引先のお客様など、目上の人に対して基本的に使います。類義語としては、「恐れ入ります」とか「恐縮です」といった表現です。「賛辞や感謝を示していただきましたが、自分はそれを受けるには恐れ多いことです」「身が縮む思いがします」というニュアンス持つ表現の一つです。そのため、ビジネスシーンにおいても「とんでもないです」という表現を使うことは間違いではありません。

注意しなければならないのは、先にも考えた「とんでもございません」という表現です。一般的に良く使われている表現ですが、間違った文法表現なので使わないように注意してください。文法的な観点から考えれば、「とんでもないことでございます」とすれば間違いではありません。「とんでもない」という形容詞が「こと」という名詞を修飾して、「ない」の丁寧な表現である「ございません」と一緒に使われているため、正しい文法になります。ただ少しまわりくどい言い方なので、シンプルに「とんでもないです」と使うのが良いかもしれません。例文をいくつか挙げて考えてみましょう。

例文

例文(上司あて)

最初に説明したとおり、「とんでもないです」という言葉は、褒められたときや感謝されたときに「そんなことないです」と謙遜して否定するのに使う言葉です。そのため、ビジネスシーンにおいては、上司からの褒め言葉や取引先やお客様からの感謝に対して用いられることが多いです。例えば、上司から「ありがとう。とても良い仕事だったよ」とか「手伝ってくれて非常に助かったよ」といった褒め言葉や感謝の言葉をいただいたときに、「とんでもないです」と答えることができます。同じように、取引先のお客様から「とても親切な対応ありがとうございます」などと謝礼をしていただいたときにも、「とんでもないです」と答えることができます。両方とも「感謝されるほどではありません」「そのような褒め言葉をいただくくなんて滅相もないです」というようなニュアンスを伝えていることになります。感謝や賛辞の言葉を受けることを丁重にお断り申し上げるわけです。

ただし、この「とんでもないです」という言葉は否定表現なので、あまりに多用するとかえって失礼になりますので注意しましょう。感謝の言葉に対してそれを打ち消すわけなので、使うタイミングや頻度を間違えると、相手に否定されたような印象を与えてしまうかもしれません。そのような誤解を防ぐためには、「お手伝いできて嬉しいです」とか「たくさん勉強になりました。ありがとうございます」というような積極的な表現を使うことによって、否定表現を和らげることができるでしょう。「とんでもないです。先輩の役に立てて嬉しいです」とか「とんでもないです。たくさん新しいことが学べたので、とても楽しかったです」というように、「とんでもないです」+「前向きな言葉」で用いると、とても印象が良くなると思います。

「とんでもないです」という表現に加えて、「滅相もないです」という表現もよく使われます。仏教から派生した言葉なので、ご高齢の人や社会的立場の高い人に対しては「とんでもないです」の代わりに用いることができるかもしれません。これも「とんでもないです」と同じように、積極的な言葉を伴って使うと良いでしょう。「滅相もないです。ご一緒させていただき、とても楽しい時間を過ごすことができました」というように使うことができます。ちなみに、「滅相もございません」という表現もよく耳にしますが、これは「とんでもございません」と同じ文法上の誤った表現になりますので間違って使わないように注意しましょう。

もし英語で「とんでもないです」という気持ちを伝えたい場合は“This is undeserved honour”(これは身に余る光栄です)といった表現が良いと思います。自分が受けるような栄誉ではない、ということを伝えることができます。

例文(部下あて)

「とんでもないです」という言葉自体は自分を低くする謙遜語にあたる表現なので、自分より下の立場にある部下に対して使うことは基本的にありません。しかし、「です」という丁寧表現を除いた「とんでもない」という語単体は形容詞なので、「とんでもないよ」とか「とんでもない」というように使うのであれば、部下に対しても違和感なく使うことができるでしょう。部下などから「先日は助けていただいてありがとうございました」と感謝されたときには、「とんでもない。当然のことだよ」と言ってあげることができるかもしれません。先ほど考えたように、「とんでもない」という言葉は感謝や賛辞を打ち消す言葉であり、「自分はそんなに賛辞を受ける立場にはないよ」というメッセージを表します。そのため、部下などからの感謝に対して使うなら、「そんなに感謝しなくても大丈夫だよ。いつでも助けるからね」と、とても頼りがいのある器の大きな上司のイメージを持ってもらえるかもしれません。

例文(同僚あて)

上記の例文でも考えましたが、「とんでもないです」は謙遜語なので、同僚に対しても基本的には使わない言葉です。しかし、「とんでもないです」は強い否定の表現でもあるので、同僚からあらぬ非難や批判を受けたとき否定を表す言葉として使うことがあるかもしれません。「この前のミスはあなたのせいだ」と非難されたときに、「とんでもないです。あれはわたしが扱った案件ではありません」という具合に使います。これは、強めの否定表現を少し丁寧に言った形になります。

上司あてに使う「とんでもないです」の英語表現として“This is undeserved honour”(これは身に余る光栄です)という文を考えましたが、「とんでもないです」の英語表現には“It's my pleasure”とか“Don't mention it”などもあります。もう少しくだけた表現で、“No problem”とか“No way”という表現も一般的に使われています。英語にも丁寧な表現方法はありますし、ビジネスシーンと日常生活とでは区別して用いた方が良いような言葉があります。ただし、日本語のような謙遜語や丁寧語というものは存在しないため、“No problem”とか“No way”という表現は、日本語の敬語表現にあたる「とんでもないです」という意味を厳密に伝えるわけではないようです。“It's my pleasure”や“No problem”といった表現は、同僚など比較的親しみやすい間柄に対して用いることのできる表現かもしれません。

まとめ

いつも当たり前のように使っていて意識していなかったかもしれませんが、間違って使っている表現は意外と多いかもしれません。特に、ビジネスシーンにおいては正しく使いたいものです。

今回は「とんでもないです」という表現について考えました。まず、よく耳にする「とんでもございません」という使い方は文法的に間違った用法であるため、使わないように注意しましょう。正しくは「とんでもないです」であり、ビジネスシーンでは「感謝や賛辞に対して、自分はそれを受けるほどではないと謙遜して否定する」表現として用いられます。上司から褒められたときや「今回の対応に感謝します」などと取引先のお客様などに言われた際に、「とんでもないです。お役に立てて嬉しいです」などと用いることができるでしょう。積極的な言葉と一緒に使うことで印象良く使うことができます。敬語表現としての「とんでもないです」は自分を低くする謙遜語の部類になるため、上司などの目上の人に対して使う言葉であり、原則では部下や同僚に対して使うことはありません。

「とんでもないです」という表現だけに限らず、ビジネスシーンや日常生活で正しい日本語を使うことは対人関係で信頼を築いていく上で非常に大切な要素です。今回、考えたように、言葉の語源や歴史、また漢字表現などを覚えておくと、正しい意味や使い方を覚えるのに役立つかもしれません。少しの時間を取って正しい日本語を勉強することは、正しいマナーを身につける上でも大切なことです。

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