敬語の使い方

「弊社」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

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パンダ

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

社会人として働いている方々は、ビジネス用語として当然、自分の会社のことを「弊社」あるいは「当社」と述べることでしょう。どちらも自社を表す言葉で、普段から当たり前のように使いこなしているビジネス用語の代表格です。ただし、「弊社」と「当社」では、若干ですが、意味合いが違っていて、しかも使い分けにはルールやTPOがあることをご存じでしょうか?

今回はビジネストークの敬語力アップのために、「弊社」の意味や言葉の由来・歴史、実際の使用例など、徹底解説していきましょう。

「弊社」は正しい敬語?

「弊社」とは自社を表す謙譲語・謙遜語です。この謙譲語は、相手に対してややへりくだった表現をするために使用する言葉です。なお、ビジネスシーンでは、社外へ向けて自社のことを話す場合に使います。

反対に、同じ会社で働く者同士が話す場合、弊社という言葉は使わないルールになっています。その理由は、自社内の者同士が自分の会社をへりくだって話すのは不自然だからです。むしろ敬意とプライドをもって話題にするべき対象ですので、マナーとしての謙遜語を使うのは不適当なのです。それよりは、丁寧な表現や尊敬語に相当する単語で自社を言い表す方が、社員・従業者間でのモチベーションアップへとつながるでしょう。一般的には、「当社」や「わが社」などの単語を使います。

なお、ビジネスシーンを離れてプライベートの会話をするとき、つまり個人的な会話であれば、弊社を使う必要もありません。その場合は「うちの会社」など、フランクな単語の方が良いでしょう。

〇ビジネスシーンで弊社を使い始めたいきさつ・歴史について
日本で会社の設立・運営が盛んにおこなわれるようになったのは明治維新を経たあとですから、弊社という言葉が一般社会で使われるようになったのもこの頃とされています。正確なところは定かではありませんが、古い文献で確認できるところでは明治24年の官報に記述されています。

弊社の語源ですが、この『弊』という言葉はもともと『悪さ・よくない・わるい状態』を表していて、弊害や弊習、語弊、通弊、病弊などの熟語で使われています。また、古くなってボロボロになるとか、破れる・疲れるということも表しています。要するに、『さほど大したことのない会社』という気持ちを陰に含ませていて、へりくだって自社のことを述べる言い方となります。

では、なぜビジネスシーンでわざわざへりくだった謙譲語を使う必要があるのでしょうか?

ここをしっかり理解できなければ、ビジネスシーンで正しい言葉使いをする上で、表面的な使い方しかできなくなってしまうかもしれません。そこで、そもそも日本社会で謙譲語が定着した背景をざっとおさらいしておきましょう。

根本的な理由として、日本式の徹底された身分階級があります。平安時代のあたりから日本語文化に関する文献が豊富に残されていますが、この頃から『お上』と『お上に使える役人・武士』と『平民』とに身分を隔てられていました。平民が上へ意見を述べるのも命がけというのが当たり前の時代でしたから、陳情書などは徹底して謙譲表現が使われていたのです。

その後も、天皇など貴族階級を頂点として、士農工商の身分制度が細かく設けられ、生活全般で上か下かによって対応が違いました。そして、自分より身分が上の人に対しては、自分を低くすることで敬意を表してきたという歴史があります。

そういった風習が根底にあって、日本では同レベルの関係であっても相手に敬意を払います。自分を低くすることが美徳であり、教養であり、人徳とされています。とくに仕事上の関係では、常に相手を敬い、自分はやや腰を下げて接するというスタイルが定着しました。その結果、同じ立場の会社同士でも、自社のことを「弊社」と一段低くして応対することがビジネス・マナートして広がったわけです。

〇日本語の弊社に相当する外国語は?
では、諸外国では自社のことをどう読んでいるのかを確認してみましょう。まずアメリカ英語では、自社のことを「Our company(わたしたちの会社)」や「We(われわれ)」とフランクに言い、相手の会社を「Your company」 や「You」と呼びます。ここには謙譲の意味は含まれませんし、とくに相手を敬うニュアンスもありません。つまり、ビジネスの現場でも取引相手に敬語を使わないということです。

また、儒教(礼儀を重んじる文化)の国・中国では「我们公司」と言います。それは「私たちの会社」の意味で、英語と同じです。他にも、ドイツ語では「Unser Unternehmen」と言い、ロシア語で「Наша компания」と、どれも「私たちの会社」と呼びます。

ちなみに、アメリカのビジネスシーンでは、社外の社員や社長の名を呼ぶときも、Mr.を付けたり付けなかったりと、かなりフランクな感じです。もちろん役職を付けるのは専らですが、とくにへりくだることはありません。自社内でも同様で、上司にMr.を付けて呼んでいる人はほとんどいません。もしMr.やSirを付けているなら、それは何か特別の事情がある場合でしょう。ゴマをするとか、許しを請うような場面では意図的に使われるかもしれません。

このように、諸外国で「弊社」にあてはまる言葉を確認できないのが現状です。まず、これが日本独自のコミュニケーション習慣であることを理解しておくと良いかもしれません。そして、日本では謙譲語や丁寧語など相手を敬う表現をベースにしてビジネストークを進めていくことが肝心で、それによってお互いの関係を良好に育むことができると理解するべきでしょう。

〇「弊社」と「当社」の違いは?
社外の人に向かって自社を述べるとき、基本的に「弊社」を使うということはお分かりいただけたことでしょう。では、次に社内で自社を述べる場合の「当社」ですが、この言葉の意味やニュアンスはどうでしょうか?

結論を先に言いますと、「当社」はこちらの会社を示す丁寧語で、この言葉にはへりくだる気持ちも、敬意を強調することもありません。社内の人間同士の話ですから、共に同僚であり、仲間であるということで、あえてへりくだる必要はないのです。それよりも、自社に対して愛情の念を抱いているという気持ちが言葉に表れるべきでしょう。

もし公式な文章や会議の場でなければ、「当社」という言葉すら使わなくても問題ありません。同僚同士の飲み会では「うちの会社はさー」などとちょっと乱暴な言い方をして、仲間同士で社への愛着を確認しあうニュアンスで自社を呼ぶことも多いでしょう。

また、社外の人とのやり取りでも、「弊社」ではなく「当社」を使った方が良い場合があります。相手から商品・サービスを買うようなケースでは、あえて「弊社」とへりくだるよりも、こちらが客であるという立場を意識して「当社」を使うのが自然です。それから、公式の席でも仕事上の用事でない会話なら、「弊社」よりも「当社」という方が互いの関係を潤滑にしてくれることがあります。もちろん、プライベートの会話で「弊社」を使うことはありません。

このように、ビジネスシーンのTPOに応じて「弊社」「当社」「うちの会社」をしっかり使い分けることで、互いの関係に違和感や不協和音を生じさせずに済むかもしれません。この使い分けが正しくできるようになれば、それでちゃんとした社会人であることを認めてもらえる要素となります。

〇「当社」と「弊社」を適切に使いこなす上での注意点
ビジネスでは、会話と文章で使い分ける必要のある言葉があります。つまり、敬う表現かへりくだる表現か、あるいは丁寧な言い回しか、ということです。

メールや報告書、企画案など仕事上の公文書で使う言葉と、会議や商談で使う言葉とでは違う単語を使い分けることがよくあります。例えば、「御社」と「貴社」がそうです。文章上では「貴社」を使うのが一般的です。最近はメールなどで「御社」を使う方も多いですが、基本は「貴社」とするのが良いでしょう。一方、「御社」は会話の中で使われるのが相応しい言葉です。細かいようですが、こういった使い分けがきちんとできるようになると、ビジネストークのスキルアップにつながりますので覚えておいてください。

そこで、「弊社」と「当社」ですが、実は自社に関しては、文章でも会話でも基本的に使い分けが不要です。先にも述べた通り、社外への情報発信であれば「弊社」を、社内や個人的なシーンでは「当社」と区別しておけば、とりあえず問題ありません。

ただし、「弊社」を使うべきシーンでも「当社」と記述する場合があります。例えば会社のホームページやパンフレットなどの会社案内では、社外向けの文章であるにも関わらず、「当社」と記述するケースが多いです。なぜかと言いますと、自社の商品・サービスを自信をもってアピールする目的で書かれた文章に、へりくだった姿勢をイメージさせる「弊社」は読み手に不安を抱かせる要因となりかねないからです。ここは自信をもって、「当社の商品は…」と堂々と表現するべきでしょう。

例文

自社を言い表す「弊社」と「当社」の使い分けを、もう少し分かりやすい例で説明しましょう。

●これまで通り、弊社へご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

今後も取引をお願いしたい相手先には、このようなお愛想の言葉を添えて、メールや手紙を締めくくると良いでしょう。社外の大事なクライアント様へのあいさつですので、決して「当社」と書かないように気を付けましょう。ややへりくだった気持ちで、「弊社」と記述するのが正解です。

●今回は弊社の不手際にて貴社にご迷惑をおかけしてしまい、心よりお詫び申し上げます。

自社のミスで相手に不利益を与えてしまった場合など、謝罪の文章では必ず「弊社」を使います。この時には十分にへりくだった気持ちをこめて、相手への敬意と自社の謙遜の意を適切な文章で伝えるように気配りしてください。

では、社内でよく間違われてしまう「弊社」の使い方の例文を紹介しましょう。

例文(上司あて)

上司とのやり取りで、とっさに出てしまいがちなのが次の例です。

●今回の商品クレームの内容については、弊社の営業部から詳細を聞いております。

上司への報告ということで、緊張と謝罪の気持ちが前面に出過ぎてしまい、ついへりくだった気持ちで「弊社」と言ってしまうことがあります。このような場面であっても、社内での報告事項ですので、「弊社」ではなく「当社」を使うのが正解です。ただし、こういった言い間違いは、文法的な理解不足というよりも、むしろ反射的に口を突いてしまったケースと言えるでしょう。少し落ち着きを取り戻してから、気持ちを整えて報告をするように気を付ければ十分に防げるでしょう。

例文(部下あて)

部下への指示のときに、よくあるのが次のような例です。

●営業先では弊社のモットーをしっかりアピールするように!

これも「当社」、あるいは「わが社」の間違いです。とくに営業畑で長年仕事をしてきた年配の方は、つい使い慣れている「弊社」と言ってしまうことがあります。こちらも文法の間違いというのではなく、つい口が滑ってしまった程度のミスでしょう。ただし、「弊社」が口癖になっている人は注意してください。やはり、言葉使いを適切に整えるのができる社会人の基本です。

例文(同僚あて)

職場の同僚同士のやりとりでも、公式な場面では次のような間違いが見られます。

●今度の弊社の新商品だけど、あれって改良が必要だと思わない?

同僚同士のやり取りでは謙譲語を使うことがありませんから、「うちの会社」や「わが社」と述べるのが普通です。しかし、公式の場で同僚たちにプレゼンしたり、大事な意見を述べる際には、得てして緊張しすぎて、思わぬ言い間違いをしてしまうことがあります。同僚同士の失態ですのでとくに心配には当たりませんが、小さなことからコツコツと整えるのがマナーや礼儀作法のポイントです。ここも十分に配慮するようにおすすめします。

まとめ

ビジネスシーンは結果が重く評価されるため、たとえ言葉使い一つでも、気を引き締めて話すようにしたいものです。とくに、日本には複雑で奥の深い表現を使い分ける文化があります。そのもっとも間違えやすい部分として「弊社」があります。意識的に「弊社」と「当社」を使い分ける練習を積んで、自然に言えるように習慣付けておくのがベストでしょう。できる社会人との評価を受ける要因でもありますので、普段から配慮しながら使いこなしましょう。

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