敬語の使い方

「この度は」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

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パンダ

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「この度は」は正しい敬語?

「この度はご足労いただき、まことにありがとうございます」。ビジネスパーソンなら一度は使ったことがある表現ではないでしょうか?丁寧なニュアンスが含まれている言葉なので当然敬語だと思っている人が多いと思いますが、正しい使い方ができているか?と改めて聞かれると不安になる方もいらっしゃるかもしれません。

「この度は」はフォーマルな場など、かしこまったシチュエーションでよく使われる表現です。ビジネスシーンにおいてはかなり歴史のある表現といえるでしょう。取引先や顧客との話し合いやイベントなどでよく使われることからも、かしこまったイメージが強いことがわかります。つまり初めて会った人、または継続的に使う機会がない人と会うときに使うことが多くなるのです。それだけに正しい使い方をしないと恥ずかしい思いをしてしまうことになりかねません。またシンプルな表現だけに、間違った使い方をしてしまうと礼儀以前に常識や教養を問われてしまう面もあります。「あの会社の社員は教養を持ち合わせていないのか」といったマイナス評価を受けかねないので気をつけましょう。

この表現のポイントは、あくまでかしこまった表現として使われている点です。使った人がへりくだる謙遜語ではなく、かといって相手を立てる尊敬を表現する言葉でもない、少々回りくどい表現を使う丁寧語というわけでもない、その意味では敬語ではないと判断することもできるでしょう。ただ使用するシチュエーションによっては相手に対する敬意を含めることもあるので、やはり敬語として捉えた上での正しい使い方が求められます。

例えば取引先の担当者が来社して話し合いをするときに「この度はわざわざご足労いただきまことにありがとうございます」と表現したときには、「この度は」の中に「今回わざわざ時間をかけてくださったうえに労力までおかけしてありがとうございます」というねぎらいと感謝の意見が含まれることになります。また、イベントなど大勢の参加者が集まる場での「この度はお集まりいただきまことにありがとうございます」では、そのイベントに関心をもってもらい、わざわざ予定を合わせて来てくれたことへの感謝が込められます。

そんな「この度は」は「今回は」とほとんど同じ意味合いの表現です。ですから、基本的には今現在の状態について使われます。来月行われるイベントについて「この度は参加していただくことになってありがとうございます」といった使い方は通常はしません。

難しいのは過去の出来事に対して使うときです。「今回は」と比較すると過去に対して使う余地もあるからです。例えば、近い過去に開催したイベントに参加してくれた人と次に会ったときに「この度はお集まりいただきありがとうございしまた」とお礼を言うときに使うことがあります。

また近い過去にお世話になった人にお礼を言うときにも「この度は大変お世話になりました、ありがとうございました」と使うこともあります。

この過去に対して使う場合にはあくまで近い過去に限定されており、一年前の出来事に対して使うことはできません。具体的にどの程度の過去まで使えるのか、はっきりとしたボーダーラインを引くのは難しいですが、両者の認識の中でその出来事が過去のものになっているのか、まだ新しい話題なのかによって違います。例えばイベントについて話をするとき、そのイベントの記憶がまだ新しい場合には「この度のイベントは大成功でしたね」といった表現を使いますが、すでに過去のものにとなり、会話の中でその記憶を思い出すときには「その節はお世話になりました」など、違った表現を使うことになります。

これは「この度は」の難しい部分でしょう。例えば自分にとっては近い過去、まだ記憶に新しいことであっても相手にとってはすでに過去のものになってしまっている場合もあります。そんなときに「この度は」を使うと相手は「何のことだっけ?」となってしまいかねません。

それを避けるためには、まず軽く会話をして過去に対する意識が共通していることを確認したうえで、「この度は」が相応しいかどうかを判断することが大事です。相手の様子と場の空気を読む、ビジネスパーソンとしての資質が問われる部分とも言えるかもしれません。

近い過去に使うときでもうひとつ重要なのは、先方に不幸があったときの使い方です。葬儀の際に「この度はご愁傷さまでした」という表現がよく使われますが、これは当然近い過去に対して使うものです。また怪我や病気で入院した人にお見舞いに訪れたとき、同僚や上司が怪我や病気から職場に復帰したときなども「この度は大変でしたね」といった表現が使われます。

難しいのは、怪我や病気に見舞われた人にはそれが現在進行系で続いているときに使うのが前提になることです。例えば、一ヶ月前に入院した人にお見舞いに行ったときにも「この度は大変でしたね」と表現することができます。怪我や病気に見舞われた時期がある程度過去のものであっても、その状態が続いている場合には継続している不幸全体を表す形で「この度は」を使うことができます。これも話題の中心になる出来事が当事者同士の記憶に新しいかどうかが判断を見極めるポイントです。

同じようなケースが、不幸だけでなく幸福についても見られます。典型的な例は結婚式のスピーチでしょう。「この度はご結婚おめでとうございます」という表現は、必ずしもつい最近結婚したときに限られるわけではありません。婚姻届を出した一年後に結婚披露宴を開いたときにも同様な表現が使われます。

栄転など出世を祝うときにも同様のケースが見られます。「この度はご栄転、まことにおめでとうございます」など、実際に出世してからしばらく時間が経過した場合でも、この表現を使う本人にとって新しくめでたいニュースの場合には「この度は」を使うことができるのです。

こちらもやはり「記憶に新しいかどうか」「その出来事の鮮度が高いかどうか」が判断のポイントとなってくるでしょう。

結論から言えば、過去に起こったことだろうと、つい最近起こったことだろうと、それが現在進行系であるかどうかがこの表現を使いこなす分かれ目となります。過去のある時点で起こった幸福・不幸が現在でも続いているか、あるいはつい最近まで続いていたか。ですから、相手の状況・境遇を理解した上での使い分けが求められる面もあるわけです。こちらの都合だけ、例えば相手が自分よりも立場が上だから敬意を込める、初めて会った人だから丁寧な表現を心がける、といった都合だけでは使いこなせない表現なのです。

例文

このようにわかりやすいようでいて使い方が難しい面もあり、見当違いなところで使ってしまうととんだ恥をかいてしまいかねません。どんなシチュエーションで使えるのか、どんな形で使えばいいのか、日常的によく使われている例文を参考にしながら学んでみましょう。

この表現は相手を問わずかしこまった状況で使われる言葉ですから、語尾に丁寧な表現が伴うのが大原則です。いくら親しい相手とはいえ「この度は大変だったよなぁ」「この度の仕事はしんどかったよなぁ」といった表現は奇妙になってしまうので気をつけましょう。

例文(上司あて)

上司や取引先あてに使う場合には、丁寧な表現に徹するのが基本です。

「この度は配慮していただきまことにありがとうございます」
「この度は大変お世話になり感謝の言葉もございません」

つまり「この度」よりも、むしろ後半の丁寧な表現をうまく使えるかどうかが鍵になってくるわけです。「この度」に相手がどんなことをしてくれたのかを明確にしたうえで感謝の言葉を表現する。「この度+理由の説明+感謝の言葉」という仕組みを覚えておきましょう。

これは先方に迷惑をかけた場合でも、そのまま流用できます。

「この度はご迷惑をおかけしてお詫びの言葉もございません」
「この度の当方の非礼を心からお詫び申し上げます」

この場合には「この度+理由の説明+謝罪の言葉」の仕組みになります。なぜ相手を不快にさせてしまったのか、迷惑をかけてしまったのかを短い表現の中でうまく表現できないと、誠意が伝わらなくなってしまうので気をつけましょう。逆にうまく表現することができれば「今回は」に比べてかしこまっている分、恐縮した印象を伝えることができます。

上司あてとは少し違いますが、もうひとつ注意しておきたいのが初めて会う人に対して使うケースです。例えば説明会などで顧客を招いたとき、あるいは将来的な取引先の見込みがある人と会うときには、上司と接するとき、あるいはそれ以上の丁寧さで「この度は」を表現する必要が出てきます。

「この度はお忙しい中、お集まりいただきまことにありがとうございます」
「この度は弊社の試みにご賛同いただきまことにありがとうございます」

例文(部下あて)

部下あてに「この度は」を使う機会は極めて稀、使わなくても済むケースが大半なので、とくに意識する必要はないかもしれません。ただ現代ビジネスシーンでは上司と部下の関係も複雑化しており、年上の部下もいれば、プロジェクトなどで一時的に上司と部下の関係になるケースもあります。そうした環境では、部下あてといえど丁寧な表現を心がける必要も出てくるでしょう。

年上の部下や一時的に上司と部下の関係になった場合によく使われるのが、以下の例文です。

「この度は一緒に仕事をすることになりました。よろしくおねがいします」
「この度ご依頼した案件ですが進捗状況はどうなっていますか?」

難しいのは、過度にかしこまった表現になると信頼関係の構築の妨げになってしまう恐れが出てくる一方で、くだけた表現を使うと先ほども触れたように「この度は」とその先の表現との間にギャップが生じてしまう点です。ですから知り合ったばかりのうちは「この度は」を使い、一緒に働いていく間に「今回は」に切り替え、くだけた表現を使うようにするのがよいでしょう。

例文(同僚あて)

部下あてほどではないにしろ、同僚あてに使う場合も難しい面があります。どうしてもくだけた表現になりやすいので「この度は」は向いていないシチュエーションが多くなるからです。

使うのは仕事に関する意思確認や情報交換、あるいはお互いをねぎらうシーンに限られるでしょう。

「この度のプロジェクトだけど、何か話を聞いてませんか?」
「この度は手伝ってくれて本当に助かりました。これからもよろしくおねがいします」

それよりも多いのは、フォーマルな場で使うときです。とくに結婚式ではくだけた表現と組み合わせた使い方がよく見られます。先述した例文の繰り返しになってしまいかねませんが、

「○○さん、○○くん、この度は結婚おめでとうございます!」
「○○くん、この度は栄転おめでとうございます!君の出世は自分のことのように嬉しいです」

など、フォーマルな場で親しみを込めた挨拶をするときによく使われるので、うまく使いこなせるようにしておくとよいでしょう。

なお、英語表現においては「this time」「on the occasion」が使われます。例えば

「Thank you for taking the time on the occasion (このたびはお時間を割いていただきありがとうございます)」

といった形で使われます。

まとめ

もうひとつ、この表現で注意したいのはメールで使うときです。「この度は」と漢字を使う場合と、「このたびは」とひらがなで使う場合が出てきます。パッと見ただけでもわかりますが、漢字を使ったほうがよりかしこまった印象になります。上司や取引先、初めて連絡する人相手に使うときには「この度は」、同僚や部下に使うときには「このたびは」と使い分けてみましょう。

また相手だけでなく、シチュエーションによって使い分ける工夫もほしいところ。結婚式などめでたいときには「このたびは」、相手に迷惑をかけたときの謝罪や葬儀など不幸があったときには「この度は」が適しています。

このように日常的に使っているうえに簡単な表現にも思える「この度は」ですが、使用する相手、シチュエーションによって正しい使い方がずいぶんと異なってきます。敬語として正しく使うためにも、相手に失礼にならないためにも、そして自分の教養を疑われないためにも細かい使い分けをマスターしたいものです。

さらにこの表現に固執せず、状況に応じて類似の表現を使い分けられるボキャブラリーも身につけてみましょう。「今回は」のほかにも「この節は」「時下は」などの表現と置き換えることができますから、それぞれの使い方もチェックしたうえで柔軟に使い分けてみる、これができるようになればビジネスパーソンとして恥ずかしくない表現ができるようになるでしょう。

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