敬語の使い方

「どちら様でしょうか」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

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パンダ

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「どちら様でしょうか」は正しい敬語?

家に見知らぬ相手が現れた、或いは自宅の電話に知らない相手から連絡が来た場合に、第一声としてあがるのが「どちら様でしょうか」ではないでしょうか。どちら「様」「でしょうか」という丁寧な言い方であるように思えますが、ご家庭では問題なくとも、こと「ビジネスの相手やお客様」に対して、今一つな言い方である事はご存じでしたか?実は一般的に使いがちなこちらの言い方は、ビジネスコミュニケーション上、是か非かで言えば明確な非、正しくない表現なのです。

まず、「どちら様でしょうか」から丁寧な表現を除いてみましょう。極限まで排すると「誰だ?」となり、これを尊敬語に置き換えると「どなたでしょうか?」になります。この言い方までは最適解でこそありませんが、文章上は問題ない言い方です。しかしここに「どなた『様』」とつけてしまうと、元々その言葉自体が敬語である「どなた」に更に敬称をつけてしまう、いわゆる二重敬語の状態となってしまうのです。「どちら様でしょうか」と同様に、「どなた様でしょうか」もNG使用例です。

二重表現になるのが問題なのは、日本語マナーの歴史上、単純に「間違った言い回しをするのは相手に失礼」「敬意が上乗せされるでもなく、まわりくどい」という点です。「お見えになられました」「ご覧になられますか?」「おっしゃられていました」といった「お・ご~なる」という言葉に、更に「れる・られる」という言い方を重ねてしまう誤った例が一般的です。
こうした間違いが起きるのは、一重に「丁寧な言い方をしなければならない」という気負いによるものです。こうした言い方をしたからといって「失礼だ!」と面と向かって怒る人はそうそう存在しませんが、新社会人ならばいざ知らず、入社数年が経過している社員がこうした言葉遣いを社内・社外でしてしまうのは問題があります。

勿論、だからと言って「どなたですか?」というままでは、社会人として適切な言い方ではありません。自分が直接やり取りをしている場合、相手に尋ねる適切な言い方は「恐れ入りますが、お名前をお聞かせいただけますか?」「お名前を伺っても宜しいでしょうか」が正しい表現です。ここで使われている「お~いただく、ご~いただく」、類似例として「お~にあずかる、ご~にあずかる」は、二重ではなく連結となり、敬意の大きい謙遜語となっています。どういう相手からかかってきたかわからない以上、この言い方をするのが最も推奨されます。後者の「お名前を伺っても宜しいでしょうか」は、これ自体は問題ない丁寧な表現なのですが、世代によっては「宜しいでしょうか」が目上に対する言葉ではない、という考え方がある為です。

またこの時、より丁寧に「お名前をお聞かせいただけますでしょうか」と言うケースもありますが、これはNGです。「いただく+ですます」表現、例えば「~いただけますでしょうか」「~おりますでしょうか」「~ませんでしょうか」は丁寧な表現として使ってしまいがちですが、先述した例と同じく二重表現になっています。そっけなく感じられるかもしれませんが、文法上は「いただきました・いただきます・いただけますか?」で言い切る形が適切な表現なのです。

例文

日本語の例文は先程挙げた2例に加えて、「恐れ入りますが」や「恐縮ですが」といった丁寧なクッション言葉によってバリエーションは増えていきます。
「恐れ入りますが、お名前をお聞かせいただけますか?」
「大変恐れ入りますが、お名前を伺っても宜しいでしょうか」
「大変恐縮ですが、お名前と御社名を改めてお願い致します」
「申し訳ございませんが、もう一度お名前をお伺いできますか?」
「誠に恐れ入りますが、お名前をお教え願えますか?」
「差し支えなければ、お客様のお名前をお伺いできますか?」

直接相手と対面している際、名前を知る手段として名刺がありますが、名刺を求める際にも時折「あれ?」という言い回しをする人がいます。「お名前様を頂戴出来ますか?」「お名刺を頂戴出来ますか?」という言い方は、複数の疑問点が生じます。「頂戴する+ですます」の二重表現である事、「名前を頂けますか?」という尋ね方になってしまっている事、そして「お名前様」「お名刺」という表現です。お名刺、という言い方自体は「お手紙」「お車」と同じく、受け取りたい相手の品である名刺を丁寧に表現した美化語となるので文脈上OKですが、お名前様は「お名前」という時点で敬った表現が成立しているので、様をつけるのは不自然な丁寧表現となってしまいます。

次に、英語で相手の名前を尋ねたい場合の例文です。
・一般的に丁寧な尋ね方
「May I know your name, please?」(お名前を伺えますか?)
「May I ask who’s calling?」(どなたですか?/電話の場合)
「May I have your name and company name please?」(お名前と御社名をお伺いできますか?)

・より改まっている尋ね方
「I am sorry but may I know your name?」(申し訳ありませんが、お名前を伺えますか?/より強めに恐縮している意味合い)
「Do you mind if I ask your name?」(お名前は何と仰いますか?)

・カジュアルな尋ね方
「Can I have your name?」(お名前は?)
「What is your name?」「your name?」(なんて名前?)

「May I~」と「Can I~」「What is~」の使い分けは、大まかには前者がフォーマルな表現、後者がカジュアルな表現となっています。「May I~」は「私が~しても宜しいでしょうか?」という、相手に主体や許可を委ねている表現であり、丁寧な英語表現です。会社に訪れた海外のお客様に対しては「May I~」が適していますが、例えば英語を話す外国人の同僚に招かれた時に、家族の名前を聞きたい時には「Can I~」「What is~」と使い分けていきましょう。

また、英語でのやり取りの場合、付随して以下の会話が発生する可能性もあります。

・もう一度言って欲しい
「Excuse me, Could you say that again?」(すみません、もう一度言ってくださいませんか?)
名前や社名、用件を最初の一回で聞き取れなかった場合、そのまま会話を続けられると話が混乱してしまいます。分からなくなった時点でお聞きしてしまいましょう。

・どなたにご用ですか?
「Who do you wish to speak to?」(どなたにお掛けになりましたか?/電話の場合)
「Who would you like to speak to?」(どなたにご用でしょうか?)
どちらも似た意味合いですが、文法上、長いフレーズの方がより改まった言い方になります。

・アポはありますか?
「Are you here for an appointment?」(事前に来訪の約束はありますか?)

・応接室に案内する
「Please follow me.」(ご案内します)
「I will take you to the meeting room.」(応接室にご案内いたします)
「Please have a seat.」(こちらへお掛けください/応接室で座っていただく時)

・お客様がお会いしたい担当者がいない時
「◯◯ is out of the office at the moment.」(〇〇はただいま外出中です)

・少々お待ちください
「Hold on, please.」(そのままお待ちください)
「Just a moment, please.」(少々お待ちください)
「Would you mind waiting here for a moment?」(こちらでお待ち頂けますか?)

例文(上司あて)

休憩明けや営業からオフィスに戻った際に、「〇〇さん、お客様が見えられているよ」と上司から呼びかけられた場合は、まずは上司からその方の名前や社名、用件を聞きましょう。この時、「どちら様でしょうか?」ではなく「どなたですか?」と聞くのはもちろん、なるべく小声でやり取りする事が望ましいです。
会社によって応接室に案内されているケースと、応接室が無く、仕切り越しの応接ブースに案内されていて、周囲の声が筒抜けて聞こえてしまうケースがあると思われます。応接室があるとしても、先客が使用している場合は後者の対応をされていることがあるので、状況がわかるまでは間違っても大声で「え、誰ですか?」と聞かないようにしましょう。
事前に名前や社名、用件を聞いておくことで、待たせた上にお客様に再度説明させてしまう二度手間を防ぐ事ができ、その後の話し合いがスムーズになります。実際にお会いした際には必ず「お待たせいたしました」と一言謝罪の意を述べてから、実際の話し合いに入りましょう。

逆に、上司へのお客様が、上司の一時的な不在時に訪れた場合、かつ自分がそのお客様を応接室へ案内するケースがあれば、これは自分自身でお客様の名前と用件を伺い、上司に取り次ぐ事が期待されます。この時、お客様は社外の方であり、上司は社内の人間であるので「申し訳ありません、〇〇(役職)の□□(名前)はただ今席を外しております。こちらでお待ちいただけますか?」と、丁寧に応対しましょう。
一度お会いした覚えがあるお客様であれば覚えておくのがベターですが、人間忘れてしまう事もあります。思い出せない場合は無理に知ったかぶりをせずに「大変恐縮ですが、ご確認の為もう一度、お名前と社名をお聞かせいただけますか?」と尋ねましょう。

例文(部下あて)

部下がお客様を取り次いだ時も、対応としては上司の場合と変わりません。「どなたですか?」、「どこの会社のどなたですか?」など、こちらもお客様に声が届かないように気を付けて聞き出しましょう。新入社員の部下の場合、こういう事態には不慣れで名前を聞けていない事がある可能性があります。本来、こういった場合にはどうするべきだったのか、次回はどのようにするべきか指導できるタイミングでもあるので、気になる所があればなあなあで済まさずに、上司らしく指導しましょう。

部下にお客様が訪れた場合、「部下の客だから」とおざなりな対応をするのは当然の事ながらNGです。社外からのお客様に対しては、一律して敬意ある対応を行うのが一般的なビジネスマナーです。部下が何時に戻るか分からない場合はその旨を伝え、連絡先を伺ってお帰り頂く、相手が待つ場合は立ったままの状態でお待たせしない、応接間の使用状況を確認し予定が無いようであれば応接室でお待ちいただくなど、様々な応対が必要になります。お客様をご案内した後はいち早く部下と連絡を取り合い、お待たせしている事を伝えましょう。

例文(同僚あて)

同僚がお客様を取り次いだ時も、先述した2例と同様です。親しい同僚であれば、砕けた言い方で情報交換をしてしまいがちですが、こちらもお客様に声が聞こえた場合は失礼にあたります。「お客様に声が聞こえる可能性」を考えて、改まった丁寧語を用いて会話するように心がけてください。
同僚を訪れたお客様の場合、自分とは異なるプロジェクトに関する重要なお客様である可能性が高くなります。自分の応対で同僚の足を引っ張らないように、一層気を引き締めてご案内しましょう。

まとめ

初めてでこんな対応は出来ない、自信がない、そんな人もいるかもしれません。こうした応対事例は研修や自主的な練習により身につけなければ分からないものですが、普段から先輩や上司に社外のお客様が訪れた際の対応から、行動や言葉遣いを知る事も出来ます。
電話上ではお客様への案内は言葉だけで済みますが、実際にオフィスを訪れたお客様に対しては、応接室に到着するまでの歩き方や階段利用時、エレベーター利用時にもこまごまとしたビジネスマナーが存在しています。受付の方がいない時のお客様にもスマートな対応が出来るようにしておくことで、お客様を不快にさせないだけでなく、自身への評価にも繋がります。
また、新入社員である内は「初々しい」と見られ、フォローしてもらえた失敗も、ある程度の年数が経ってしまってから発生すると「いつまで新入社員気分なのか」と思われてしまう事もあります。先輩や上司の行動は、仕事が着実に進んで行けばいずれ自分もその立場に立つ事もある、そうした意識をもって、より社会的な言動を早いうちから身につけていきましょう。

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