敬語の使い方

「御社について存じ上げております」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

お仕事だいすきパンダだよ。 転職はしない方がいいことのほうが多いから、慎重にね

敬語をうまく使えないので、どうすればいいの?
パンダ

そんなあなたの疑問、解決いたします。

メールを打っているときに敬語の使い方がわからないことがありますよね。
私もそうでした。

本記事の信頼性

本記事の信頼性は、以下の通りです。

  • 大手企業(東証一部上場企業、社員数数十万人規模)研究開発職の正社員として勤務
  • 複数のプロジェクトを担当し、お客様から非常に優秀と評価していただいている
  • 国立大学大学院で3つ以上の賞を受賞

丁寧に解説いたしますのでご安心ください。

本記事では、「御社について存じ上げております」は正しい敬語か?について解説します。

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「御社について存じ上げております」は正しい敬語?

就職や転職には面接がつきものです。この面接の中で定石といっても過言ではない質問が「弊社について伺います」というもの。質問の形はさまざまですが、基本的には「弊社について、どんなことを知っているか、どんなことに興味を持っているか」といった内容を問われます。
就活生はもちろんのこと転職活動中の人は、試験官にどのような変化球を投げかけられても受け答えできるよう、志望する企業の創立年から資本金、企業理念などを調べ、頭に叩き込むことでしょう。そこから派生し、自分を売り込むためのアピールポイントを練り上げることもあります。このような内容は、学生時代から各方面から指導を受けることも多く、熟知している人も見られます。
ここで丁寧に準備してきたことについて、試験官からストライクの質問が投げかけられたとき、あなたはどのように受け答えするでしょうか。目を輝かせ『御社について存じあげております』と堂々と答える人はNGです。面接試験では質問の意図をくみ取り、的確に答えながら自分のアピールへつなげていくといった、セオリー通りの受け答えをしたのに、不合格だったというケースも見られます。
「御社について存じ上げております」という言葉。丁寧語のように聞こえますが、実は正しい日本語ではありません。
正しくは「御社について存じております」となります。「存じる」も「存じ上げる」と同様に、「知る」や「思う」といった言葉の謙遜語(謙譲語)に当たりますが、それぞれ用法が異なります。
「存じる」は【謙譲語2】に当たります。「存じ上げる」は【謙譲語1】に分類される言葉です。敬語は、謙譲語1・2、丁寧語と美化語、尊敬語と5種類に分類することができます。
正しい言葉遣いとなる「御社について存じております」の場合、「知っている」という動作を「存じる」とへりくだることで丁寧な言葉遣いとなります。また、「知っている」ことの対象が、ヒトやモノ、場所である場合に使われます。【謙譲語2】は丁寧語ともいわれる言葉です。
一方、【謙譲語1】に当たる「存じ上げる」について、例を示すと「御社社長の趣味について存じ上げております」というような使われ方が一般的です。自分が「存じ上げる」とへりくだることで、「社長」を高めます。また、目の前にいる試験官と社長それぞれに敬意を示すことができます。この場合、「知っている」ことの対象はヒトの場合に限られます。
つまり「御社について存じ上げております」というのは、会社はヒトではないため、間違いに当たります。逆に「御社社長の趣味について存じております」という表現は間違いに当たりません。
歴史系の物語などでも「存じ上げる」「申し上げる」という言葉は、部下(家臣)が上司(殿様)に対して使われています。

例文

このコラムのテーマである「存じる」を使った例文を、自分から見て目上に当たる「上司」と、目下に当たる「部下」、同じ立場にある「同僚」に向けてまとめました。
再度おさらいしますが、「存じる」とは「知る」や「思う」の謙譲語(へりくだる言葉)に当たります。自分が一歩引いた表現を行い、相手を敬うというのが謙譲語の基本です。そのため、自分と同じ立場の人や目下の人に対して一般的な会話の中では使いません。
このことを踏まえて例文を見ていきましょう。

例文(上司あて)

本日、取引先との商談に出向いてまいりました。
先方の部長と担当社員に弊社の話を聞いていただき、来週初めに具体的なプランニングとそれに対する見積もり書を提示することで話をまとめております。
本日ヒアリングを行った先方社の希望と、今回見積書と合わせて提示するプランニング案に関して、報告書にまとめますので今少しお待ちください。
プランニング案に関してアドバイス等いただけると助かります。
商談の際にわずかな時間ですが、雑談を織り交ぜた際、弊社社長が過日雑誌対談を受けた旨を存じておりました。このことを受けて当社にコンタクトを取ってくださったようです。初めての取引となる会社だったため感触が心配でしたが、私の話を興味を持って聞いてくださったので、次のプランニング提示で成約に至るよう尽力いたします。
Today, I went to a business talk with a business partner.
We asked the manager of the other party and the employee in charge to listen to our story, and we will summarize the story by presenting a concrete plan and a quotation for it at the beginning of next week.
Please wait for a while as we will summarize the wishes of the other company we interviewed today and the planning proposal to be presented together with the quotation this time in a report.
We would appreciate it if you could give us some advice regarding the planning plan.
It was a short time during the business talks, but I knew that the president of our company had a talk with a magazine in the past when we interwoven the chats. It seems that he contacted us in response to this. I was worried about the feeling because it was my first transaction, but I was interested in listening to my story, so I will do my best to reach a contract with the next planning presentation.
文中に出てくる「存じておりました」は、取引先の社員が自社の社長のことを知っていたことを、自分の上司に伝えるフレーズです。この場合、「存じ上げる」を用いることも検討できるのですが、現在あなたは自分の上司と話しています。第三者となる人物(この場合、取引先の社員)を高めることは大切ですが、現在自分がへりくだるべき相手は上司なので「存じて」と表現しています。
また、「自社の社長」という身内のことを取り上げている内容です。とらえようによっては、身内の人物に対して「存じ上げる」と掛け合わせることもできます。もちろん、取引先の社員を高める「存じ上げる」ですが、現在の会話の相手によっては違和感を残すこともありますので、「存じておりました」を選択するのがよいでしょう。

例文(部下あて)

先ほどメールで、プランニング案と見積書案の提示をもらい、確認しました。
時間がタイトな中での作成、お疲れさまでした。
先方の担当者様が弊社が取り上げられた雑誌記事を拝見なさったとのこと。このような話題を先方から振っていただけて、とても心強かったのではないでしょうか。
A社のニーズは、営業面のコスト削減だけにとらわれず、社員の福利厚生面にも反映できると思われます。
雑誌記事の内容に興味を持たれたのは、こういったことも考えられるのではないでしょうか。
福利厚生面でのメリットも打ち出してみると、さらに興味を持っていただけると存じます。
Earlier, I received an email and received a proposal for a planning plan and a draft quotation, and confirmed it.
Thank you for creating it in a tight time.
It is said that the person in charge of the other party saw the magazine article that our company was taken up. I think it was very encouraging to hear such a topic from the other party.
It seems that the needs of Company A can be reflected not only in terms of cost reduction in sales but also in terms of employee welfare.
I think this may be the reason why I was interested in the contents of magazine articles.
I hope that you will be even more interested if you try to identify the benefits in terms of welfare.
この文章中では「存じます」と「思われます」が混在しています。もちろんどちらも同じ意味で使われています。なぜ、「存じます」を用いているフレーズがあるのかというと、これは上司自身の見解で使っている「思われます」と、部下へアドバイスとして届けている「思われます」はニュアンスが異なるからです。
『興味を持っていただけると存じます』という表現は、取引先であるA社に対するへりくだりではなく、アンサーを伝えている部下に対するへりくだりととらえましょう。つまり指示ではなく、謙譲語を使って下から伝えることでプランニング書類や見積書を短時間で作り上げた部下を敬って(ねぎらって)いるのです。

例文(同僚あて)

お疲れ様です。
来週のA社接待の件、場所の予約や参加人数等の進捗を教えてください。
課長より確認のメールが入っているので、課長と情報を共有してもらえると助かります。
A社は上得意先で、本案件の窓口を担当している○○さんは、私もよく存じ上げています。とても気さくな方なので、初対面でも話をしやすいと思います。いろいろな話をしながら情報を引き出してみてください。もし話に詰まったら、私の名前をだしてくれれば話題の糸口になると思います。
thank you for your hard work.
Please tell us about the progress of company A entertainment next week, place reservations, number of participants, etc.
A confirmation email has been sent from the section chief, so it would be helpful if you could share the information with the section chief.
Company A is a superior customer, and Mr. ○○, who is in charge of the contact point for this project, is well aware of me. I'm a very friendly person, so I think it's easy to talk to him even for the first time. Please try to extract information while talking about various things. If you get stuck in the story, I think it will be a clue to the topic if you give me my name.
同僚に、接待の主導と状況の把握の共有をお願いしているメールです。この文章中の「存じ上げています」というフレーズは、同僚との会話では他人行儀なイメージがあります。「存じ上げる」という自分がへりくだり、相手を高める謙譲語を用いることで、「(良くも悪くも)隅々まで熟知している」ニュアンスを伝えています。「名前を出してみて」というアドバイスが続くことで、二人の間にいくつかのエピソードがあるということも、想像できることでしょう。

まとめ

「御社について存じ上げております」というフレーズは正しい日本語ではありません。謙譲語の使い方について覚えることで、面接突破はもちろんのこと、対外的な会話でも恥ずかしい思いをすることがありません。

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