敬語の使い方

「御社について存じております」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

お仕事だいすきパンダだよ。 転職はしない方がいいことのほうが多いから、慎重にね

敬語をうまく使えないので、どうすればいいの?
パンダ

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本記事では、「御社について存じております」は正しい敬語か?について解説します。

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「御社について存じております」は正しい敬語?

取引先との商談や飛び込み営業などで、相手先の企業担当者と話をする機会があります。「御社をまったく知らない」といえば即刻門前払いであり、商談どころではなくなるでしょう。飛び込みでもある程度企業情報を事前に入手しておくことで、話題の糸口などをつかみ話題を展開しやすくなります。
転職活動の場合でも、求人があれば、どんな企業でも応募をするということは少ないでしょう。どのような業種や業態を持つ企業で、どんな職種の求人なのかを事前に確認したうえで、自分にとってのメリットなどを考えてから応募をするという流れがあります。いざ面接を迎えた場合「条件がマッチしたので応募した」と答えたら、そこでご縁は打ち切りとなるでしょう。
そんな時に使いたいのが、「御社について存じております」というフレーズです。この言葉は謙遜語(謙譲語)としても正しい言葉遣いですので、覚えておくとよいでしょう。間違いやすい謙譲語の用法として『御社について存じあげております』があげられます。この用法で受け答えをすると、「日本語の使い分けができない」という評価を受けることがあるので注意しましょう。
【存じる】と【存じ上げる】はどちらも、「思う」「知る」という言葉の謙譲語として意味を成す言葉です。しかし、文法上の使い方が異なります。
敬語は「謙譲語1、謙譲語2、丁寧語、美化語、丁寧語」の5つの種類に分けられています。これは文化審議会という文化庁の機関で位置づけされており、日常会話の中での使い分けがカギとなります。
【存じる】は、謙譲語2に分類される言葉で、自分の動作(ここでは「知っている」という動作)をへりくだることで、目の前にいる相手に丁寧に伝える言葉になります。「丁重語」などともいわれています。
「御社について存じております」というフレーズは、「そちらの会社を知っている」という言葉を丁寧に記したものです。会社を丁寧に「御社」と言い換えることは一般的ですが、ここでいう「存じております」は、文章中にある会社に対するへりくだりではありません。話をする相手に対して「知っていますよ」と答える言葉なので、「存じております」という言葉遣いになります。
ちなみに、【存じ上げる】という言葉は、謙譲語1に分類される言葉です。「御社の社長はよく存じ上げている」というような用法が一般的です。目の前にいる相手に対する丁寧な言葉遣いはもちろんですが、文中に登場する「社長」に対してへりくだっていることも伝わります。ちなみに、【存じ上げる】というように、「~上げる」が付く場合へりくだる相手が人の場合に限ります。したがって「御社を存じ上げております」という用法は誤りとなるのです。

例文

ここからは、【存じる】【存じ上げる】という言葉の使い分けを確認するためにいくつかの例文を提示します。自分から見て目上の存在に当たる「上司」と、目下の存在となる「部下」、並列の関係となる「同僚」それぞれに対する【存じる】【存じ上げる】の例文となります。ただし謙譲語は、自分より目上の存在に対して使う言葉です。自分がへりくだる言葉ですので、日常的な会話でもざっくばらんな世間話レベルや、仲間内での会話ではあまり使われません。
こちらを踏まえて使いわけできるようになると、面接はもちろんのこと会話の中でもスムーズに【存じる】が使えるようになります。

例文(上司あて)

例文1
“先日、歴史書のデータ化に関して某自治体より打診がありました。最終的には入札もしくは共同体として複数社で編纂に当たる可能性があるのですが、百万円単位の受注となる予定なので、できる限り仕事を受けたいと存じます。某自治体は私の出身地であり、地域の特色なども存じております。丁寧に対応してまいりますので、見積もりに関して決済をいただけますでしょうか。”
The other day, there was a consultation from a local government regarding the digitization of history books. Eventually, there is a possibility that multiple companies will bid or compile as a community, but since we are planning to receive orders in units of one million yen, I would like to receive work as much as possible. A certain municipality is my hometown, and I know the characteristics of the area. We will respond politely, so could you please settle the quotation?
文中では【存じます】と【存じております】の2つの言葉が出現しました。「仕事を受けたいと存じます」の場合は、「思います」の謙譲語になります。後者の「地域の特色なども存じております」は「知っている」の謙譲語であり、上司に対するへりくだりの言葉となります。このように上司に謙譲語を使うことで、商機のチャンスに関して訴えるとともにGOサインが欲しいと伝えています。いわゆる「上申」というニュアンスですね。
例文2
“御社の業務内容に関しては存じており、私も御社本店を利用しております。店舗にお伺いした際はA店長に担当いただくことが多く、お話を重ね、きさくなお人柄など存じ上げております。本日は企業としてお付き合いのチャンスをいただけて、ご縁を感じております”
I know about your business, and I also use your head office. When I visit a store, I often ask the manager A to take charge of it, and I talk with him repeatedly and know his personality. Today, I have a chance to get along as a company, and I feel a connection.
こちらは、取引先の上席社員とビジネスパートナーになるための商談の場を想定してください。冒頭の【存じており】は、先にも触れたとおり「会社の仕事内容を知っている」ことを伝える謙譲語になります。
続く【存じ上げております】の表現では、A店長を高めるとともに、A店長が務める職場(今回の商談の相手)に対しても丁寧な言葉遣いをしています。また、へりくだりの相手は「A店長(人)」ですので、【存じ上げる】が用いられます。余談ですが、ここでは【担当いただく/チャンスをいただく】にも謙譲語が含まれています。
こちらも余談となりますが【本店を利用しております】という表現にも謙譲語を使うことができます。【利用させていただいております】といった言葉で相手に伝えることで、丁寧さが伝わることでしょう。しかし、【いただく】【おります】と丁寧な言葉が重なりますし、若干冗長な表現にも聞こえます。
また、お店を利用しているのは自分自身であり、お店を利用しているときは、顧客の立場となるため、上下関係が逆転する時間とも考えられます。厳密にいえば【利用させていただいております】が適当ですが、お店を使っているということを伝えたいのであれば、シンプルかつストレートに【本店を利用しております】でよいでしょう。

例文(部下あて)

例文1
今日の商談は、できる限り成約に持ち込めるように推していきたい。先方の社長は弊社の部長を存じ上げているようだ。商談に同席してもらえないか部長に打診するので、情報を共有する。
I would like to encourage you to bring today's business negotiations to a contract as much as possible. The president of the other party seems to know the manager of our company. I will ask the manager if he / she will be present at the business talk, so I will share the information.
こちらは落とせない商談を成功させるために、策を講じている会話です。情報によれば、先方の社長が自社の上司を知っているようなので、商談に同席してもらえれば話題も増えるのではないかと考えたようです。
この文章でも【存じ上げる】が出ています。部下との会話ですが、話題に上っている第三者は目上の人に当たります。今回はその人を高める必要があるため、【存じ上げる】と謙譲語が用いられています。
本来ならば「上司と部下」という身内だけの会話ですので、第三者を敬う表現をする必要はないのですが、大切に扱うべき相手であることを部下に伝えるためにも、あえて【存じ上げる】という表現を使っています。このような心遣いも大切です。
例文2
“「御社を存じております」というのは簡単だ。これだけなら先方は社交辞令のように受け取ることもある。担当者によっては、揚げ足を取るような意地の悪い質問を投げかけてくるので、「御社の○○を存じております」というように具体的に提示するようにすると、話題が展開しやすい。サービス内容な店舗内容などを予習しておくと、商談の時は便利だよ。実際に店舗を利用してみることもいいね。”
It's easy to say, "I know your company." If this is the only thing, the other party may receive it as a social decree. Depending on the person in charge, you will be asked a nasty question that will take you up, so if you specifically present something like "I know your company's ○○", it will be easier for the topic to develop. It is convenient at the time of business negotiations if you prepare for the contents of the store, which is the service content. It would be nice to actually use the store.
この文章では、部下に心構えを教えています。【存じております】という謙譲語を社交辞令で終わらせないようにという注意です。また、【存じております】という言葉を強め、知っていることをアピールするために具体的な説明をするようにという内容です。

例文(同僚あて)

同僚あての例文も、部下に対する内容と同じ用法となります。何度か触れましたが、自分の立場から同列、あるいは下位に当たる人との間では謙譲語を使うことはほぼありません。用いる場合は、自分の立場から見て敬うべき第三者を話題に出すというときなどがあげられます。
“君の奥さんをよく存じ上げている”
I know your wife well
このような例文を仲間内で会話をするときには言葉の抑揚や表情に気を付ける必要があります。
自分が相手に対してへりくだる表現を使って会話を行う場合、相手によっては「自分に対して謙譲語を使うことで優越感を得ようとしている」と受け取ってしまうことがあります。
「存じ上げている」という表現をすることで、何か深いところまで知っているのではないかと勘繰ってしまうこともあるためです。気心知れた関係の場合、表情や言葉の抑揚まで読み取ってしまうことがあります。

まとめ

「御社について存じています」という表現は、謙譲語の用法として正しいものです。また、謙譲語の中でも、へりくだる対象によって【存じる】【存じ上げる】の使い分けが必要になります。この使い分けをできれば、ビジネス上で会話をする際に心強いでしょう。
また、部下や同僚との会話でも、第三者の敬うべき相手が話題になった場合は、謙譲語を用いると丁寧になります。時と場合によってはそれが嫌味に響くこともあるため、使い方に気を遣うようにしましょう。

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