「益々のご活躍を」 は正しい敬語か? (和文・英文例)

敬語の使い方

「益々のご活躍を」は正しい敬語か?(和文・英文例)

パンダ

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パンダ

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前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

「益々のご活躍を」は正しい敬語?

相手への配慮を示すために手紙やメールに添えられる書き言葉として、またはお祝い事のパーティーや披露宴における乾杯の発声などの場面にて、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」というフレーズがよく使用されます。

これまでの実績や功績をたたえ、さらなる成果をあげられるよう、精力的に活動してほしいという願いを込めた励ましの言葉ですね。

ブレークダウンして細かく考察すると、「益々の」は「前よりも一層」という意味であり、「ご活躍」はめざましく素晴らしい働きや動きの事です。

ポイント

「ご活躍」は個人に対して使用される言葉であり、対象が企業などの場合には「ご発展」という言葉が代わりに用いられます。

どちらも縁起の良い言葉ですが、使う対象が異なります。

加えて、「活躍」という言葉に「ご」がつき、相手の立場を高める適切な尊敬語になっているため、同僚や目下はもちろん、上司や目上の人に使う事も可能です。

以上の事から、このフレーズは個人に対して尊敬を持って向けられ、前よりも一層素晴らしい働きができるように祈っていますという、励ましの言葉で間違いありません。

しかし、注意しなければならないのが、後半の「お祈り申し上げます」の部分です。

「お祈り申し上げる」は上司や目上の人にも失礼に当たらず用いられますが、「期待します」や「楽しみにしている」というニュアンスの言葉を続けてしまうと、一転して上司や目上の人に対してはとても失礼な表現になってしまうため、注意が必要です。

もし失礼な文言を添えてしまったり、発言をしてしまった場合はどうなるでしょう?

社会人としての常識を欠いたマナー違反として捉えられ、相手が自分を良く思ってくれている人でも大なり小なりがっかりさせてしまうでしょうし、それほど良く思ってくれていない人であれば、直接出世や昇進にも関わってくるかもしれません。

以下、それぞれの対象に対して失礼に当たらないかどうか、例文を使用しながらまとめます。

せっかく気持ちを込めて添えた言葉が、相手を怒らせるなどという逆効果になってしまわないように、確実な知識として身に付けた方がよいでしょう。

例文

相手に対して「ご活躍」を祈念する機会について明確にしましょう。

タイミングとしては、ビジネス上のやり取りであいさつをする機会に加え、新規事業の立ち上げとか新商品のリリースなどの何かしら新しい事を始める時、またはお正月など季節のあいさつの際などが挙げられます。

特殊な例では、就職や転職の際に不採用を告げるために用いられる「今後のご活躍」をお祈りするケースもありますが、あらゆる面でネガティブな表現なので除外します。

このようなさまざまな機会において、失礼のないように適切に表現できるよう、上司や目上の人、部下や目下の人、同僚の3つのケースに分けて、それぞれ例文を挙げながら明確にします。

例文(上司あて)

まずは、「ご活躍を祈る」相手が上司や目上の人の場合です。

問題になるのは「ご活躍を」に続く、後半部分の表現にあると前項でも確認しました。

では、「お祈り申し上げます」などの適切な表現について、他にどのような種類があるでしょうか。

さらに言葉を選ぶ際には、失礼にならないようにという配慮に加えてもう一つ、相手との関係性にも配慮したいものです。

まだ一度や二度の面識しかないビジネス相手なのか、数年間も直接指導してもらった上司なのか、普段は接する機会の全くなかった役員なのかなど、どれほど親しい付き合いをしてきたのかによって選ぶ言葉は変わってくるはずです。

もしさほど直接的な付き合いがなく、あくまでビジネス上のあいさつである場合や、社内の序列の中で相当の上役に当たる上司である場合などは、きちんとフォーマルな表現にすべきです。

「お祈り申し上げます」に加えて、「ご活躍をご祈念いたします」「ご活躍のことと存じます」「日頃からご活躍を拝見いたしております」など、硬い言葉とともに使用すべき場面ですね。

一方、直接的にお世話になっており、相手の人間性もよく知っている間柄ならば、もちろん丁寧な尊敬語を用いつつも、より個人的かつ人間的な暖かさが伝わるようなあいさつを選ぶべきかもしれません。

「ご活躍を心より願っています」「ご活躍される事と心から信じております」、「〇〇さんなら、どこでもご活躍される事は分かり切っている事ですが」など、定型的な建前のような表現よりも、自分の言葉が伝わるような配慮が喜ばれるのではないでしょうか。

注意ポイント

反面、上司や目上の人に対して使用すると失礼に当たる、不適切な表現も再確認しておきましょう。

まずは丁寧語の使い方自体が誤っており、単純にビジネスマナーとして失礼に当たる表現として、「ご活躍を」に続く表現ですが、代表的なタブーは「ご活躍を期待しています」「ご活躍を楽しみにしています」「ご活躍されるよう頑張ってください」「ご活躍されることを応援しています」などです。

いずれも本来は目上の人が目下の人を気遣ってかける言葉なので、上下関係が逆さまになってしまいます。

自分がへりくだる謙遜語を使うべき場面で、真逆の言葉を選択しているという事ですね。

「期待している」という表現も一見すると大丈夫そうですが、本来が「君に任せて、その成果を当てにしているよ」という期待ですので、上司に使ってしまうと失礼に当たります。

「頑張れ」や「応援する」という表現も、そもそもが目上の人が目下の人にかける言葉ですから、やはり部下が上司に使ったりすれば上下関係が逆さまになってしまいます。

極端にデフォルメして、もし部下が上司に「おまえも頑張れよ」と言ったとしたら、そのおかしさは一目瞭然でしょう。

このように、丁寧語にすらなっていないという問題が生じます。

さらに、時には社会人としての歴史の中で培った親しい間柄であるからこそ知っている、個人的な事情にも配慮して言葉を選ぶ事も必要です。

例えば、上司が辞令を受けた異動先が本人の意にそぐわない事が分かっていたり、上司が退職を迎えたものの今後の予定が何も決まっていない場合などは、「新天地でのご活躍」という定型文から、相手が望んでいない新天地という表現は外すべきでしょう。

社会人が持つべきビジネスマナーとしての面と、個人的な付き合いを含めた建前ではない真のコミュニケーションとしての側面の両面を大切に、相手の顔を思い浮かべながら表現しましょう。

上司や目上の人に言うべき表現と避けるべき表現を確認したところで、次は具体的な場面を想定して、より実用的に適切な使い方を明確にします。

まずは栄転やキャリアアップの転職などで新たな場所に動く事になった上司や目上の人に送る言葉ですが、これまでお世話になったお礼と新天地でも活躍してくださいという気持ちの二つを込めたいところです。

「〇〇様のご栄転を心からお喜び申し上げます。」

「これまで多くの事をご指導いただき、大変お世話になりました。ありがとうございました。」

「新天地での益々のご活躍をお祈り申し上げます。」

最低でも、これら3つの文言は伝えたいですね。

フォーマルな文言であれば、この3つから派生させて、「この度のご昇進を心からお祝い申し上げるとともに、さらなる貴殿のご活躍と貴社のご発展をお祈り申し上げます。今後もご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。」などと文言を作成する事も可能です。

さらに親しい上司向けには少し暖かみを加えて、「この度のご栄転、誠におめでとうございます。くれぐれもご自愛の上、益々そのご手腕を振るわれる事を願っております。」や「これまで多くをご指導いただき、誠にありがとうございました。ご転職されて私たちは寂しくなりますが、新天地でも必ずやご活躍される事を信じております。」などと表現できるでしょう。

これに、「どうかご自愛ください」や「お体にはお気をつけて」といった、相手の健康を気遣う表現を加えてもいいと思います。

上司が退職する場面では、どういった表現が適切でしょうか。

前述した通り、退職後の予定が何も決まっていない、あるいは不本意な形での天下りが決まっているなど、相手が望んでいない形で退職を迎えるのであれば、「新天地」という表現はやはり避けるべきでしょう。

また、定年退職であるならば相手はご高齢である場合が多いでしょう。

人によっては、これからのさらなる活躍よりも健康面での気遣いをかけてあげる方が素直に喜んでもらえるかもしれません。

そこで、「ご活躍」という言葉を「ご健勝」に変えて表現する方法もあります。

例えば、「この度のご定年、誠におめでとうございます。これまでのご活躍とご功労に敬意を表し、大変お世話になりましたことに感謝いたしております。今後の益々のご健勝をお祈り申し上げます。」などと表現する事が可能でしょう。

次に、時候のあいさつで用いる場面を想定します。

例えば、お世話になっているお客様に、お正月の新春のあいさつをする場合にも用いる事が可能です。

例を挙げると、「謹賀新年 旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。貴殿と貴社の益々のご発展に少しでも寄与させていただけますよう精進してまいりますので、本年もなにとぞよろしくお願いいたします。〇〇様のさらなるご活躍をご祈念いたします。」などと文言を作成できるでしょう。

もし英語で同じように言いたい場合には、どのように伝えればよいのでしょうか。

「お祈りします」という日本語を英語に訳す場合に、“pray”と直訳してしまうかもしれません。

そして、同じ感覚で全文を“I pray for your continuous activity.”と訳してしまうかもしれません。

しかし、英語の”pray”は宗教的に信じる神に祈るという行為を表す動詞であり、この「相手の活躍を」祈るという意味ではありません。

どちらかと言えば「願う」という意味であり、「祈る」は比喩的な言い方です。

ですから、より自然な英語の表現は、例えば“I wish you all the best in your future endeavors.”という感じです。

例文(部下あて)

自分が上司や目上の立場で、部下や目下の人に対して頑張れというメッセージやはなむけの言葉を送る場合についても考慮してみましょう。

この場合は、目下の部下が上司や目上の人に対して避けるべきタブーの表現は特にありません。

人生の、または社会人の先輩として後輩に送る言葉ですから、表現としては「頑張ってください」や「益々の精進を期待しています」「応援しています」という励まし型と、「昇進おめでとう」といったお祝い型があるでしょう。

新年のあいさつに関しては、目上が目下に使う「賀正」であったり、「明けましておめでとうございます」といった表現が使われる点が異なります。

例文(同僚あて)

同僚に向けた励ましやお祝いの表現は、部下に宛てた上の例とあまり変わらない感じで大丈夫ですが、礼は失しないように、あまり砕けすぎた文言になりすぎないようなバランスが必要でしょう。

それが同期の気安さがあればなおさらですが、TPOが必要な場面であれば、同期ならではの接し方やメールのやり取りがカジュアルになり過ぎないように気を付ける必要があります。

当人同士以外の人も目にするものであれば特に、社会人としてのけじめがない二人と思われないように注意します。

また、「お互いに活躍しましょう」や「益々の飛躍を期待しています」など、同期や関係が近い同僚ならではの、一緒に成長していこうという表現がお互いの胸に刺さりやすいかもしれませんね。

まとめ

このように、「益々のご活躍をお祈りします」という表現について、上司や目上の人に向けての場合と、部下や目下の人に向けての場合、そして同僚に向けての場合と3つのケースに分けて、それぞれの違いを検証してきました。

特に、上司と目上の人に向けての表現には避けるべき失礼に当たる文言がいくつか存在すると理解できたはずです。

こうした表現は、日本語でも英語でも、言われた方が頑張ろうと思える有意義な言葉であり、人を幸せな気持ちにできる言葉です。

だからこそ、逆効果で不愉快にさせる事がないよう、社会人の常識として知っておくべき正しい知識を確実に身に付けましょう。

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